知られざる研究者の生態



第128回(更新日:2015年6月12日)

俺が会社を変える

マトンです。新しい所長様に飲み会のセッティングを命じられますが、同期が合コンをセッティングしても呼ばれません。

さて、新しい所長様が来てからというもの、なぜか直属の上司であるチームリーダーAさんをすっ飛ばして所長様から直々の命令が来るようになりました。その命令は主には部署の若手研究者との会合のセッティングなのですが、この日の命令は「若い人たちとのオフサイトミーティングを開きたい」というものでした。

そのオフサイトミーティングの目的は、所長様の言葉を総合すると、「この部署がなぜ低迷しているかを、若くて鋭い感性を持った若手社員とディスカッションして導きだしたい」というものです。

色々とツッコミたいところだったのですが、所長様に物申すこともできず、大人しくオフサイトミーティングなるものを設定しました。まあ、一番ツッコミたいポイントは、「仕事とは関係なく若い人たちの率直な意見を聞きたいから業務が終わってからやろう(=残業ではない)」という所長様の台詞だったんですけどね・・・。

以下はオフサイト・ミーティングの様子です。某名門研究室からやってきた新人君が張り切ってました。

所長様『さて、今日はみんなに率直な意見を言ってもらいたい。完全オフレコにするから安心して発言してくれ。』

名門ラボから来た新人君『僕は入社してからまだ日が浅いんですが、正直言って、今やってるプロジェクトのレベルの低さにガッカリしました。』

所長様『ほぉ。どんなところに失望したのかね?』

名門ラボから来た新人君『今やってるプロジェクトは全部論文の後追いじゃないですか。そんなんじゃイノベーションのある研究なんか出来ないですよ。会社って、もっとこう、自分たちしかやっていないようなプロジェクトをしてるのかと思ってました。』

所長様『なるほど。では君は、どうすれば現状を変えられると思うかね。そして、そのために何か行動を起こしてるのかね?』

名門ラボから来た新人君『僕は色々とトライしています。○○をやったらどうか、とか△△のプロジェクトはどうか、とか言ってるんですが、その度にそれはこういう問題がある、とか、あれは色々と難しいとか、ネガティブなことばかり言われるんです。』

所長様『そう言われて君は簡単に引き下がるのかね?』

名門ラボから来た新人君『いえ、そんな簡単には諦めません。でも、仮に食い下がっても、「じゃあ君はどうやってそういう問題を解決しようとするんだ?」って聞いてくるんですよ。新しいことに挑戦するんだったら色々と問題が出てくるに決まってます。上司とか先輩は、そういう問題ごとを新人に押し付けるためにいるんじゃなくて、問題を解決するためにいるんじゃないんですか?』

・・・こういうタイプの人は入社試験の面接には強そうだなぁ(遠い目)

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