知られざる研究者の生態



第130回(更新日:2015年7月10日)

背中を撃たれる

マトンです。日に日に研究グループ内の雰囲気が悪くなってきているように思います。

マトンのいる部署では、月に1回全体会議があります。そこでは、各グループから代表者(グループリーダーもしくはプロジェクトを担当している中堅社員)が出てきて、自分たちの行っている研究プロジェクトの進捗を報告します。所長様も参加するので、それなりに緊張感があります。また、研究グループ同士の勢力争いの場になったりすることもあり、上の方の人たちは会議前からピリピリしてきます。(マトンは下っ端なのであんまり関係ない)

さて、以下は全体会議でマトンと同じ研究グループにいるIさんが、自身の担当する研究プロジェクトの進捗を報告したときの様子です。Iさんは、この研究グループのNo.2(No.1であるチームリーダーはAさん)です。表面上はAさんとIさんは穏やかな関係を保っているのですが、Iさんは陰ではAさんを馬鹿にしているという噂もあり、一方でAさんはそういうIさんの態度に薄々気づいていて、時々やや感情的にIさんを叱責することもあります。

Iさん『(前略)以上が本プロジェクトの進捗報告となります。』

所長様『ふむ。何か質問はある人はいるかね?』

Aさん『では私から少し質問を。』

一同『(え?)』

Aさん『沢山データはあるようだけど、私には何でそんな実験をしたかわからないんですよね(薄ら笑いを浮かべながら)。今後の予定にある実験も意義があるかどうか不明だし(中略)そんな方法でこのプロジェクトを進めていても本当に大丈夫なのかな。』

一同『(その研究プロジェクトの実験をメインで担当してるのはIさんだけど、プロジェクトのリーダー&責任者はお前じゃん。そんな初歩的な疑問があるなら、全体会議じゃなくてグループ会議内で話し合えよ)』

・・・会議室にはいつもとは違う微妙な空気が流れていました

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