研究者団体の紹介



NIH金曜会(2015年6月23日更新)

NIH金曜会は、米国メリーランド州にあるNational Institutes of Health(NIH)ベセスダキャンパスにおいて、 NIHおよびワシントンD.C.周辺の研究機関に在籍する日本人研究者の交流を目的として活動しています。


NIH金曜会オーガナイザーの皆さん


■ ワシントンD.C.近隣から幅広い分野の方が参加

当初は NIHの日本人研究者の親睦会として、2008年8月にNIHのポスドク有志によって立ち上げられましたが、NIHには世界中から研究者が集まるためキャンパス内には多くの日本人がいる事、そして首都ワシントンD.C.のすぐ近くという立地条件もあり、様々な方が参加されています。主な参加者はNIHポスドク研究員ですが、NIH以外の大学・研究所や企業の方々、留学中の大学院生、アメリカでPI(Principal investigator)になられた方々などもおられます。また日本大使館科学班、日本学術振興会(JSPS)や日本科学技術振興機構(JST)のワシントンD.C.研究連絡センターのスタッフの方々など、研究活動の支援に携わる方にもご参加いただいています。


■ 研究者や企業人の生き様に触れるセミナー

主な活動は、月に1度開催されるセミナーと懇親会です。セミナーは多くの場合NIHポスドクによる研究紹介ですが、NIHのPIや学会で訪米中の日本の先生方にも講演をお願いしています。

セミナー内容は研究の話だけではなく、自己紹介・キャリアパスにも時間を割いていただいています。演者の多くはアメリカに数年留学して仕事をまとめたポスドクですが、他にもアメリカで活躍中の日本人PIや学会参加のために渡米中の先生など、多様なバックグラウンドを持っておられます。同世代の研究者や既に独立された研究者が、専門分野は異なっても、どの様な環境で学位を取り、どの様な考え・希望を持って留学したのか、さらにはアメリカでの研究環境・留学経験や進路の判断、ジョブハントについてなど、演者の方々の研究者としての生き様に触れることを目的としています。また、セミナーはサイエンスだけに限定している訳ではなく、医学・生物学以外の領域で活躍されている方々にも講演していただく事もあります。

これまでに災害医療や日本史教室といった話題のセミナーがあり、最近では特許についての講演もありました。セミナーの後はベセスダのレストランに場所を移して、 演者の先生を囲んで交流を深めています。 毎回、セミナーには30−40人程度、懇親会には20-30人程度の方々が参加されています。


月に1度開催されるセミナーの様子


■ 日常生活、キャリアディベロップメントを助けるための活動

セミナー以外にも、NIH金曜会のメーリングリストを通じて様々な情報を提供しています。NIH金曜会セミナーやその他のセミナーの案内、ポスドク同士での試薬・機器についての問い合わせ、日本の知り合いや元上司からのポストの紹介等。さらには、ワシントンD.C.近辺のイベント情報、ムービングセール等、多岐にわたります。またNIH金曜会ブログやFacebookも開設しており、セミナー告知のほか、有用と思われる情報を幹事の判断で積極的に掲載しています。

NIHには日本人のシニアPIの先生も多く、NIH金曜会はこれらの先生方とポスドク研究員の橋渡し役として、様々な機会で協力させていただいています。

最近では、2014年10月にNIHで開催されたNIH-JSPS-Japanシンポジウムにおいて、日本から来られた5人の先生方にご協力いただき、キャリアパスに関するパネルディスカッションを開催しました(第83回金曜会http://nih-kinyokai.blogspot.com/2014/10/83nih-2014.html)。また2015年1月には、JSPSワシントンのセンター長・副センター長にお越しいただき、JSPSの研究支援活動の説明会と、それに関連したキャリアディベロプメントについて、NIHのPIの先生にご講演いただきました(第86回金曜会http://nih-kinyokai.blogspot.com/2015/01/86.html)。

どちらも盛会で、 PIの先生方の豊富な経験に基づいたコメントは大変参考になり、活発に議論が交わされました。これはNIHに限った事ではないと思いますが、多くのポスドク研究員が進路について不安を抱えています。 今後もセミナーだけでなく、この様な研究者としてのあり方を議論する会もPIの先生方の協力をいただきながら定期的に開催して行く予定です。


■ 帰国後も活きるつながりのために

もともとはNIHの友人で始めた集まりが、当初予想もしない程の大きな会となっていきました(2015年5月現在、メーリングリストの登録者は250人以上)。毎回、セミナー・懇親会に参加されている皆さんが楽しまれている様子を見て、この様なコミュニケーションが今後研究を続けていく上でもきっと役に立つ事と思っています。 NIH金曜会所属の方々の多くはやがて帰国されますが、日本に帰国された後もお互いに交流が続けられるような会として続けて行きたいと願っております。


懇親会の様子

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