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Japanese San Francisco Bay Area Seminar（略称、BAS)は、サンフランシスコ・ベイエリアに在住する医学・生命科学系の日本人研究者を主な対象として、セミナーの開催および研究者同士の交流の支援を目的として活動しているNPO (Educational) 団体です。

歴史的には、戦後間もない頃にUC Berkeleyで研鑽を積んでいた日本人留学生達の勉強会から始まったそうで、その当時は留学生だった先生方もそろそろ米寿を迎えるとか。交流の輪は徐々にベイエリア全体に広がり、2010年にはカルフォルニア州からNPO団体として認可されました。現在はUC San Francisco、UC Davis、UC Berkeley、Lawrence Berkeley National Laboratory、Stanford University、企業などの医学・生命科学に興味を持つ約３００名の登録会員から構成されていて、それぞれの大学や企業にいる有志幹事が連携をとりながら精力的に活動を押し進めています。

BASの主な活動内容は、キャンパスごとにほぼ毎月ローカルセミナーを開催することに加え、ベイエリア全域を対象として、年始の「新年セミナー」と秋の「合同セミナー」を開催することです。

（１）新年セミナー

年始に開催するこのイベントでは、様々な分野で活躍されているファカルティーの方達を招いて、現在進行中のホットなトピックについてお話し頂いています。内容も幅広く、アメリカで臨床医あるいは研究者として生き残ってこられたキャリアに関する経験談から、壮大な宇宙についての研究の話まで、参加者の皆さんの「面白い！」という好奇心を掻き立てるようなセミナーにしようと取り組んでいます。

（２）合同セミナー

１０月上旬の週末に開催する学会形式のイベントです。医学・生命科学の各分野で先端を行くファカルティーの方達を招いての招待講演だけでなく、多くのポスドク研究者・医師・学生の皆さんに口頭発表やポスター発表をして頂いています。ベイエリアでどのような研究をしている人がいて、どのような研究が進められているのか、参加者の皆さんに知識の幅を広げていただけるようなセミナーです。シリコンバレーが近いということもあり、 全体のうち３割強が企業からの参加者です。

新春セミナーと合同セミナーのどちらにも言えることですが、ベイエリア全域から参加者が集まりますので、講演後の懇親会では、普段は会えない地域の人達とのネットワーキングを楽しんで頂いています。

合同セミナーの様子

（３）ローカルセミナー

大学ごとに企画・開催しているセミナーで、不定期ながら月一回のペースで金曜日の夜に開催しています。どのような研究をしている人が身近にいるのか紹介し合うという意味でも、主に留学中のポスドクの皆さんに研究内容を話して頂くことが多いです。しかし、それだけにとどまらず、アカデミアや企業でのキャリアアップについてのパネルディスカッションや、弁護士によるグリーンカード（永住権）申請についての解説など、参加者の皆さんが将来を考える際に参考になるようなトピックのセミナーも企画・開催してきました。

ローカルセミナーの様子

BASのこれまでの活動の間に、セミナーでの出会いがきっかけとなって、日本で新しい事業が生まれたこともありました。また、周囲のバイオ・ライフサイエンス系コミュニティーとの交流も長く続いており、共同でイベントを企画・開催することもあります。最近は日本学術振興会（JSPS） サンフランシスコ研究連絡センターとの連携により、セミナーで科研費や海外助成金について解説して頂きました。

ベイエリア内だけの交流にとどまらず、学会などでベイエリアに立ち寄られる方達に、日本で進められている研究やプロジェクト、あるいは日本の研究状況についてお話し頂くこともあります。日本に帰国された人達から寄せられる求人情報などもメール・WEBを通して登録会員に配信しており、海を超えての情報交換や交流の場としても活用して頂いています。

このように、留学の次のステップ、地域の特色を活かした交流、そして留学後も長く続く「人との繋がり」を築く手助けができればと願いながら活動を続けています。

最後になりますが、 これまでにBASに御参加・御協力下さった皆さま、そして歴代の幹事の方達のお陰で、長くに渡って活動を続けてくることができました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

BASの幹事の皆さん