知られざる研究者の生態



第13回(更新日:2011年6月25日)

理由はいらない

マトンの勤める会社の研究所は、疾患領域ごとに部署が分かれています。そして毎月、各部署が持ち回りで研究報告会が開かれます。

今月の研究報告会は、マトンの所属する部署とは別の部署が担当でした。発表者はサブ・リーダーにあたる職種の社員で、その人が新しく始めたプロジェクトに関する研究内容を報告していました。

以下は、発表の後で研究所の所長様が発表者に質問をしていたときの様子です。


発表者『・・・というわけで、別の疾患で開発している○○は、我々が担当している疾患に対しても有効性があることが示されました。(自慢気)』

所長様『君はなぜ○○を使ったのかね?』

発表者『○○は絶対に効果があると信じていたからです!(断言)』

所長様『・・・そんなことは聞いていない。どんな根拠で○○を使おうと思ったかを聞いているんだ。(やや呆れ気味)』

発表者『根拠はありません!根拠Lessです!(堂々と)』

所長様『・・・。(溜息)』


・・・良かった。おかしいのは自分がいる部署だけじゃなかったんだね。

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