知られざる研究者の生態



第14回(更新日:2011年6月29日)

高性能風向きセンサー

マトンが所属する研究グループは、チームリーダーAさんをトップに総勢10人くらいで構成されています。グループは更に数人単位の小グループに分かれています。小グループごとに複数の研究プロジェクトが割り当てられているのですが、グループのメイン・プロジェクトだけはグループの研究員が全員で取り組んでいます。

本来、グループのメイン・プロジェクトは、チーム・リーダーであるAさんの指揮のもとで行われるべきなのですが、Aさんは研究の知識・経験が極端に少ないため、実際のところは同じグループの中堅社員であるKさんが指揮をとっています。

本日は、このメイン・プロジェクトの計画について、部署のトップであるL部長を含めてグループ会議が開かれました。


L部長『では、今後はどういう感じでこのプロジェクトを進めていくのかな?』

チームリーダーAさん『○○を行ったあと、△△を行うことを計画しております。』

L部長『ふむ、なるほど。』

マトン『(全部Kさんが考えたことなんだけどなー)』

L部長『ところで、□□はどうかね?これは重要なポイントだと思うが。』

マトン『(それは、Kさんがやるべきと言ったことなのに、Aさんは意味がないと言って却下したポイントだ。どうするんだろ?)』

チームリーダーAさん『それは彼(Kさん)に任せてあります。現状はどうだね?』

マトン『(!!)』

Kさん『準備はできているので、いつでもできます。(怒)』

チームリーダーAさん『このように、現場レベルでは準備が完了しています。□□はL部長のおっしゃるように重要だと思いますので、彼(Kさん)が今やっている実験のペースを少し遅らせてでも取り掛かろうと思っています。(得意気に)』

Kさん『・・・。(溜息)』


・・・この日のAさんは世界中のどの風見鶏よりも風向きを敏感に察知していたと思います。

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