博士女子のための就職活動Tips



第18回(更新日:2012年11月26日)

複数の会社から内定をもらった場合

「第1回:はじめに」から読む

就職活動中に「たくさん内定をもらってしまったらどうしよう」と悩む人はほとんどいないと思います。実際、「内定」は出ない人には本当に全く出ません。ですが、驚くほど簡単に複数社から内定をもらう人もいます。私個人の経験から言えば、準備をしっかりとして就職活動を始めた博士の学生であれば、「何社も」とまでいかなくても2〜3社から内定をもらうことは珍しくないように思います。

仮に2社から内定をもらった場合、複数の会社に入社するということは不可能なので、最終的にはどちらかに断りの連絡を入れることになります。そして、断りの連絡というのは意外と面倒なことになったりします。

まず気をつけなければいけないのは、断るときは誠意を持って丁寧な対応をするということです。就職活動は基本的には辛いもので、不採用が続くと自分という人間を否定された気持ちになります。逆に、複数の内定をもらってしまうと「自分は優秀」と勘違いして傲慢になってしまう人もいます。

また、不採用が続いた場合などは、自分が断る立場になったことに優越感を覚える人もいるようです。しかし、そのような不遜な気持ちのまま、内定をくれた会社に断るのはよくありません。今までの経緯がどうであれ、自分という人間を評価して内定を出してくれた会社に断りの連絡を入れるときは、最大限の敬意を払うべきだと私は思います。

あと、教授(推薦状を書いてくれた人)や先輩(自分の履歴書を人事部に渡してくれた人)など、これまでの就職活動のときにお世話になった人にも、きちんと挨拶をしましょう。一般的には、会社に正式な断りの連絡をする前に、就職活動をサポートしてくれた教授や先輩への連絡(および相談)をするべきです。特に教授推薦の場合、自分が内定を蹴ったことで向こう数年間は同じ研究室の後輩がその会社に入社できなくなることもあるようなので、注意が必要です。

この業界は狭いので、内定を断ったときの対応のまずさは場合によってはあっという間に広がることがあります。内定を取るときは用意周到な人も、内定を断るときの手続きはお粗末なこともあります。就職活動は自分が就職する1社を決めるまでは終わりではないので、複数の会社から内定を取ったとしても気を抜かないように注意しましょう。

*本連載は、2008年と2009年に都内で配布された「理系女子のための就職活動応援パンフレット」の一部を改変・加筆したものです。

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