とあるM2のひとりごと



第4回(更新日:2013年4月7日)

私の憧れのひと


おはようございます、こんにちは、こんばんは。
見ていただいてありがとうございます。

隔週連載の予定が遅くなってしまいました。
無事に修士課程を修了し、社会人となりました。
全く実感がありませんが、社会の一員として
「何かひとつでも」社会に還元できるように頑張って行こうと思います。

今回は「私の憧れの研究者」です。
無事に卒業して、他にも色々あったりして、大学院生活2年間を振り返りながら
やっぱりわたしの憧れの人、ってあの人だなぁって思ったので書くことにしました。

私の憧れの研究者、それはM1の頃実験を教えてもらった先生です。
実はいつもその人を呼ぶ時、「先生」とは呼んでないので、
先生と書くのはなんだか違和感があるのですが、ここでは便宜上「先生」と呼びたいと思います。

先生と初めて出会ったのは大学3年生の終わり頃でした。
正直、第一印象は特に何かインパクトがあったとかは全くなく。
すごく静かに話す人だな、って言うのが印象でした。

次に会ったのは、大学院に入学した後。
入学まではメールでやり取りをする程度で、全く会うことはありませんでした。

入学式の後、先生と話をすると、先生は私に
「実は学生さんを持ったことが今までないんです。
 だから上手く出来ないこともあると思いますし、就職活動するということになっても
 何かコネがあるわけでもないので、何もしてあげられないと思いますが・・・。」
と言われました。

先生にとって、初めての学生でした。
正直、ちょっとそう言われて不安だったんですが、
そんな不安を吹き飛ばすかのように、ひとつひとつちゃんとたくさんのことを教えてもらいました。

私は全然知らなかったんですが、先生は実はなんだかすごいひとだったらしく、
ポスドクの人に「どれぐらいすごいか業績見てわかる?」って言われて
「なんか、論文いっぱいですよね(・∀・)!」とか言った覚えがあります。
その時のわたしは、CellやNatureやScienceがどんなにすごい雑誌なのか知らなかったのです。

CNSのすごささえ知らない上に
細胞培養の培地を見て「なんでこれ、赤いんですか!?」と聞いてしまう私に、
ひとつひとつ教えてくれた先生には本当になんとお礼を言ってよいか分かりません。

週末に子供さんをおんぶしながら実験をしている先生の後ろ姿を見て、
こんなかっこいい人になりたいなぁって思ったのを今でも忘れません。

研究者としても、
女性としても尊敬できるひとでした。

ド素人な私に、あんなに大切なプロジェクトを任せてもらえたこと、
あんなに嬉しかったこともありません。

すごく頭のいい人だったので、多分私が色々と出来ないことを
「なんでこの子できないんだろうなぁ。」って思いながら先生は見てたんだと思います。

今から思うと、たくさんのことを話す先生ではありませんでしたが、
それもやっぱり先生の良さで、先生の優しさだったんだろうなって思います。

先生は素晴らしい研究者で、「教育者」ではない、ってたくさんの人はそういうと思います。
確かにそうかもしれません。

たまにおかしなこと言うし、さっき言ったことと違うし・・・
ってこともたくさんありました。
私が出来ないことをあんまり分かってもらえないし、
教えるってことを自分からする人ではありませんでした。

それでも、
ひとつひとつを丁寧に教えてくださったことは確かだし、
私が聞いたことに「そんなことも知らないの?」という態度をする人ではありませんでした。
何にも気にしてないように見えて、小さなことに気が付いてくれる人でした。

そんな憧れと呼べる先生に会えたからこそ、
あんな風になりたいと思ったからこそ、
どんなに嫌になってもこの世界から離れられないのかもしれません。

いつか、憧れの先生に
「ちょっと相談したいことがあるんですが。」
と連絡をいただくこと、
相談してもらえるぐらいのひとになること。
それが私の今の小さな目標です。

さて、今回は今までとちょっと違った雰囲気のないようになりましたが。
卒業記念、ということで。

ではでは、また次回お会いしましょう。




執筆者:研究者を目指していたとあるM2

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