とあるM2のひとりごと



第5回(更新日:2013年7月23日)

Value Chainをつくる一員であること


みなさま、おひさしぶりです。
とあるM2です。

肩書きがすっかりM2ではなくなってしまいましたが、学生の頃に感じていたこと、その感覚を忘れることのないように、これからも色んなことを書いていこうと思います。

さて、今回のトピックはValue Chain。

就職活動をしたときに、なかなかうまく行かず研究室にいた企業の方に相談したときに、このValue Chainの話をしていただきました。

当たり前すぎて忘れがちなことですが、すごく大切なことで、それをしっかりと「意識」することで、その後の就職活動が好転したことを覚えています。

今日はそのお話をしたいと思います。

ちょうど就職活動を始めて2ヶ月ほどの頃でした。
エントリーシートは通過するものの、1次面接を突破できない日々が続き、正直自分でどうすれば良いのか全く分からなくなっていました。

私の研究室に来られていた某企業の方に就職活動のこと、社会人になることについて色々と相談をしていました。

色んなことを話しているうちにその方が
「社会人になるならちゃんと覚えておかないとね」と、Value Chainの話をしてくださいました。

Value chainといえば、お仕事をされている方ならご存知なのかもしれません。
詳しいことは調べていただければ、と思いますが軽くご説明します。

何か一つの商品ができるまでに、例えば基礎研究をする人、マーケティングをする人、実際に商品を売る営業の人、他にもたくさんの部署の人が携わり、一つの商品は世に出ます。

たくさんの人の value=価値 を重ねて、ひとつの商品は出来上がります。

そして、たくさん商品がある中から、消費者がその商品を買います。
つまり、この商品にこの値段を出すだけの価値があると判断されてはじめて、お金が会社に入るのです。

そのお金が、社員のお給料になったり、新しい商品を開発するお金になったりします。
企業はvalueを積むことが基本的な仕事であり、それが責務である。

この、流れをValue chainと呼びます。

ものすごく、基本的な事です。
ごくごく、当たり前の事です。

商品が売れた対価として会社に入ったお金が、自分のお給料になったり、また次の何かを作るための資金になる。

どれだけのvalueをその流れの中にいる自分が積む事ができるか、それが大事で、それを意識して仕事をしなきゃいけない、と言われました。

企業で働く人がみんな意識しているかと言えばそうじゃないけど、意識するかしないかで色んなことが変わってくる。大学で研究をしている人は、それを理解してない人が多い、と仰っていました。

確かに、大学という中から出たことのない人が、いわゆる社会人と呼ばれる人と違う印象を与えるのはそのせいかもしれません。

自分の研究室に入ってくるお金がどこから来ていて、何の対価として莫大な研究費として提供されているのか。私はそのようなことに興味なんてなかったし、考えようとしたこともありませんでした。

もちろん、研究費はある意味対価ではなく先行投資のようなものかもしれません。

なので、Value chainの流れとは違ったものに見えるかもしれませんが、何も違うことはありません。
今までその研究室に所属していた学生やスタッフなどたくさんの人の手によって研究されたことが結果として論文と言う形になる。

それが評価され、その対価として先行投資してもらえるんですよね?

だったら、同じはずなのです。

でも、大学にいる研究者は私が今まで見てきた限り、自分のために、自分の業績のために、自分の評価のために研究をし論文を書いている人が多いのではないでしょうか?

それも大切なことだと思います。

でも、いつか社会に還元されていくからこそ、得られる研究費だということ。それを毎日少しでもいいから今より意識するようにすれば、もっと違った想いで研究することができるんじゃないでしょうか?

就活をすると、「社会に貢献するために」なんていう、お決まりのフレーズを安易に多用するようになります。

そのフレーズを単なる定型文として使うのはよくないと思います。ですが、実際のところ、私たちは社会に何かを還元するために働いているのではないでしょうか。

今、あなたが手にしているお給料や研究費は、あなたが価値を積んで、何か形にして、その対価として手にしたものです。

ちゃんと、Value chainの流れの中にいること、意識できていますか??

私は、それをちゃんと意識しながら働きたいです。自分がどれだけ価値を積み上げられるのか、それを考えてこれからもお仕事をしていきたいです。

今回はちょっと長くなってしまいましたね。
ではでは、また。


執筆者:研究者を目指していたとあるM2

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