教授と僕の研究人生相談所



第44回(更新日:2015年5月11日)

失敗を失敗と気づけないと(成功するのは)難しい 1ページ目/全2ページ

教授「・・・」

僕「あの・・・」

教授「GWの連休が終わったと思ったら、すぐに君と会ってこの連載の話し合いか」

僕「すみません。今回、連休が入ってしまったのでスケジュール調整が難しくて」

教授「ふん。それなら連休ということで連載を休みにすればいいではないか」

僕「いえいえ、そんなことしたら教授のファンが寂しがります」

教授「そんなのはいない。幻想だ」

僕「ぐ・・・。あ、そうだ。これお土産です。GWに帰省したので」

教授「ほぉ、良い心がけだ。いつの世も貢ぎ物というのは効果がある。君もわかってきたじゃないか。じゃあ相談に乗ってやるか」

僕「・・・はい、お願いします」

教授「で、今日はどれに答えればいいんだ?」

僕「これとかどうでしょうか。国内でポスドクをしている方からの相談です」

教授「ふむ、なかなかに興味深い疑問だな」

僕「はい。今回の相談者の方は『失敗』について教授にアドバイスをお願いしたいようです。成功をした研究者が講演やインタビューのとき、よく『失敗を恐れずにトライしないといけない』とか『失敗から学べるものが多いから、失敗をしないとダメだ』とか言いますけど、この相談者はあんまりそうは思わないようです」

教授「ふむ(難しい顔をして聞いている)」

僕「で、この相談者は、失敗から学べることがないとまでは言わないけれど、失敗することは大事というのは単に自分が成功したから言えるのではないかと思っているようです。相談者は30代中盤の方のようですが、その世代は失敗しても大丈夫というような安穏とした状況ではないと感じているようで、成功した年輩の研究者が、失敗を恐れずなんて若手研究者に言うのは無責任というように捉えているようです」

教授「ふむ(何かをじっくり考えている様子で聞いている)」

僕「そういうことなので、教授の『失敗』についてのお考えを伺いたいようです」

教授「そうか。で、このお土産の中身は何だ?美味いのか?」

僕「え?あ、それは僕の故郷の特産品です。お酒に合うかと思って買ってきました」

教授「では、今日はすぐに帰って家で酒を飲むか。じゃ、解散」

僕「いえいえいえ、相談に答えてください」

教授「この相談者の感覚は正しいよ」

僕「え?」

教授「だが、失敗をしていかないといけない、というのも正しい」

僕「どういう意味ですか?」

教授「成功した人間が失敗から学んだというのは事実だろう。そして、そういう人間は失敗を恐れずに色んなことに挑戦したから、途中で失敗をしていても最終的には成功まで辿りつけたんだろう」

僕「はあ」

教授「だが、そういう成功した人間が、失敗を恐れずに頑張らなければいけない、と簡単に言うのは無責任ではある。まあ、そういう人間のセリフはマスコミによって編集されたり歪曲されているから、一概にそのセリフの主を無責任だと言ってはいけないかもしれないがな」

僕「すみません、どういう意味でしょうか」

教授「ん?あぁ、もう少しわかりやすく説明しようか」

僕「理解力に乏しくてすみません」

教授「いや、いいよ。意識高い系の学生相手には噛んでふくむような言い方をしないといけないって忘れててすまんな」

僕「ぐ・・・」

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