教授と僕の研究人生相談所



第45回(更新日:2015年5月25日)

戦って勝つ奴は二流だ 1ページ目/全2ページ

僕「本日もよろしくお願いします」

教授「今日は貢ぎ物はないのか?」

僕「え?」

教授「冗談だ、気にするな。まあ9割5分くらいは本気だがな」

僕「それ、ほぼ冗談ではないってことですよね・・・。ところで話は変わるのですが、本日の相談に移る前に少しよろしいでしょうか?」

教授「なんだ、またSTAP関係か?」

僕「え、何でわかったんです?」

教授「やっぱりSTAP関連なのか・・・。君も本当にSTAP騒動が好きだな。あれはもう終わったんじゃないのか?」

僕「STAP騒動そのものは終わったと思うんですが、それに関係することがちょくちょくニュースになってるんです。この連載でもSTAP騒動は結構取り上げているんで、せっかくなのでそういうニュースも紹介したいな、と思って」

教授「取り上げてるのは君だけだ。俺は取り上げてない。まあいい、何があったんだ」

僕「STAP論文の捏造は、ES細胞の混入でほぼ確定とのことなんですが、誰がES細胞を混入させたかは明らかにされてないんです」

教授「理研は真相を明らかにしたがってないからな。今後も明らかになることはないだろう」

僕「でですね、今回、元理研の研究者がSTAP論文の共著者で今は山梨大で教授をしている研究者のラボから誰かがES細胞を盗みだしたという告発状を兵庫県警に提出したらしいんです。で、兵庫県警はそれを受理して関係者から事情を聞くことになりそうなんです」

教授「証拠は残っていないだろうし、理研も積極的には協力しないだろうから、結局のところ何も明らかにならんだろうね。で?」

僕「えっと、その件はそれで終わりなんですが、STAP騒動と関連して、もう一つあります。理研の元理事長なんですが、国立研究開発法人の科学技術振興機構というところの研究開発戦略センターのセンター長に来月6月から就任するらしいです」

教授「そのニュースは俺も知っている」

僕「あ、そうなんですか?でも、何かおかしくないですか?」

教授「何がだ?君は天下のノーベル賞をも受賞した超大物研究者様に対して苦言を呈しようとでもいうのか?偉くなったもんだな」

僕「え?い、いえ・・・、そんなつもりは。でも、ネットなんかだと理研の理事長を辞めたのはSTAP騒動の引責辞任ではなく、年齢による体力的な問題とかということになってたのに、科学技術振興機構のセンター長になるなんておかしい、とかという意見が多かったので・・・」

教授「ネットでの匿名の意見を真に受けるなんて下らんね。そのニュースは朗報だよ」

僕「え?」

教授「老害が美味しい思いを出来る。今の俺にとって、こんな素晴らしい世界はない。俺のバラ色の老後生活が目に浮かぶようだ」

僕「僕の悲惨な老後生活も目に浮かびます」

教授「確かにな。君だけでなく多くの若者の悲惨な老後生活が見えるね。まあ、せいぜい俺のようなジジィをエンジョイさせるために身を粉にして働いてくれ」

僕「・・・。でも教授、そういうお年を召した方にも子どもとか孫とかいますよね。自分自身がバラ色の老後生活を送れたとしても、自分の子どもや孫が辛い目にあうのは、やはりハッピーではないんじゃないですか?」

教授「何をズレたことを言ってるんだ?良い思いをしている老人どもの子どもは、もっと言えば親族も、やはり同じように良い思いをするに決まってる」

僕「え、どうやって?」

教授「偉くなった奴らは、自分たちや自分の子どもたちが有利になるようにルールやら慣習を変える。事実、成功して甘い汁を吸った政治家や芸能人の2世/3世が多いだろ?それだけじゃない。医者の子どもは医者に、役人の子どもは役人に、そういう例は多いんだよ。偉くなった奴には金があるし、その業界で偉くなれば、その業界の表に出ないルールにも精通するようになる。色んなコネもできるしな」

僕「はぁ・・・」

教授「学歴だってそうだ。私立は言うまでもなく、国立も例外ではない。東大・京大を出た親の子は東大・京大に入りやすい」

僕「裏口入学ですか?」

教授「東大・京大にはいわゆる裏口入学はないと言ってもいいんじゃないかな。でも、東大・京大に入るには金がかかる。小さい頃から子どもに勉強をさせないといけないからね。とはいえ、入学試験で合格に達する点数を取れば、基本的には誰でも入学が許可される。だから貧乏であっても、突然変異的に子どもの頭が良かったとしたら、貧乏の家の子どもでも親が偉くなくても東大・京大に入ることは可能だ。そこには親の学歴・年収・職業は考慮されない」

僕「それって当たり前のことじゃないですか?」

教授「当たり前じゃない。親の学歴・年収・職業が大学の入学選考に使われる国はいくらでもある」

僕「でも、いわゆる先進国ではないんじゃないですか?」

教授「アメリカは後進国か?」

僕「え?」

教授「ま、俺はアメリカの実態は発展途上国だと思ってるが、いずれにしろアメリカでは大学入試の選考はペーパーテストの点数だけによるものではない」

僕「ホントですか?」

教授「ちょっと調べればわかるよ。でだな、日本もいずれそうなる。というか、そうなってきている」

僕「国立大学でもですか?」

教授「ああ、もちろん。東大・京大でそういう流れになってるから、他も追随する」

僕「具体的にはどう変わってくるんですか?」

次のページへ

ページトップへ戻る

Copyright(C) BioMedサーカス.com, All Rights Reserved.