教授と僕の研究人生相談所



第52回(更新日:2015年8月31日)

金・金・金 1ページ目/全2ページ

僕「教授、今日はこちらの相談に乗っていただけないでしょうか。高校生からの相談なので、ぜひ夢のあるアドバイスをお願いします」

教授「この業界のどこに夢があるんだ?」

僕「そんなこと言わずに・・・」

教授「ふん。で、どんな相談だ?」

僕「今回の相談者は、将来研究者になりたいという高校3年生なのですが、プロの研究者の皆様はどんな風に研究プロジェクトを決めていっているのか知りたいようです。で、プロの研究者の代表として、教授がどのようにして研究プロジェクトを見つけるのか、具体的なところを聞きたいようです」

教授「そんなの敢えて説明するまでもないだろう」

僕「え?」

教授「金になるかならないか、だよ」

僕「またそんな夢のない・・・」

教授「何を言ってるんだ。俺は慈善活動のために私財を投じて研究をしているわけじゃない」

僕「それはそうなんですが・・・」

教授「それに、趣味のために研究をしているわけでもない」

僕「では教授は何のために研究をしているんでしょうか。病気に苦しむ人を救うため、でしょうか」

教授「表向きの理由はそれになる。だが、真の理由はそこにない。俺は生活のために研究をしている。もっとわかりやすく言えば、生活費を稼ぐために研究をしている」

僕「ホントに夢のない話ですね」

教授「ふん、何とでも言え。だがな、研究をするのにだって金がいるんだぞ。金にならん研究をする余裕なんて俺にはどこにもない」

僕「研究にお金がかかる、というのはよく聞く話なのですが、具体的にどんなところにお金がかかるんでしょうか?基本的なことを聞いてしまって恥ずかしいのですが、きっと相談者の高校生も知りたいのではないかと思います」

教授「ま、研究に金がかかるといったら一般的には人件費のことを指す」

僕「人件費?」

教授「研究員への給料だよ。仮に年収500万円の研究者を一人雇ったとしたら、そいつがきちんと働こうがさぼろうが、確実に1年間で500万円がなくなる。それに、雇用する側は一般的には雇った人間の福利厚生のための金も出す必要がある。だから、実際は給与以上の額を払うことになる」

僕「なるほど」

教授「ま、日本の大学の場合は研究室の主戦力が学生だから人件費で頭を悩ますことは少ないかもしれん。だが、海外とかでラボを持っている人間は人件費がラボの主要な出費となりうる。君がもし海外でラボのPIになるようだったら、人件費のことはきちんと考えないといけない。ま、そんなことは俺が世界政府のプレジデントになるよりも低い確率だと思うがね」

僕「それって僕が海外で独立することは絶対にないってことですよね・・・」

教授「被害妄想だ」

僕「・・・。ところで、あとはどんなことにお金がかかるんでしょうか?」

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