教授と僕の研究人生相談所



第53回(更新日:2015年9月14日)

自分の希望を正確に把握するのは難しい 1ページ目/全2ページ

僕「教授、相談があるんですけど」

教授「君に貸すカネはないし、連帯保証人にもならん」

僕「・・・お金の相談ではないです」

教授「女を紹介して欲しいのか?」

僕「違います・・・」

教授「あ、そう。こないだ参加した会合で知り合った女性がな、俺が教授だと知ったら『性格の優しそうな教え子さんをぜひ紹介してください』って言ってきたんだ。君のことを紹介しようかとも思ったんだが、まあ君に興味がないのであれば仕方あるまい」

僕「え?」

教授「残念だが諦めよう。で、君の相談ってなんだ?」

僕「えっと、その女性ってどんな人なんですか?」

教授「知的でおしとやかな人だよ。なんだ、君の相談ってやっぱり女を紹介してくれってことなのか?」

僕「いえ、違うんですけど・・・」

教授「話が脱線すると帰りが遅くなる。君の相談とやらを聞いてやるから早く言いなさい」

僕「あ、はい、すみません。相談っていうのは、僕らの連載に頂いた相談なんですけど、最近ちょっと相談をいただくペースが増えているんです。今日は、こちらかこちら(メールを印刷した用紙を指差す)をお願いしようと思ったんですが、昨日頂いたメールから凄い負のオーラが漂っているので、早めに教授のアドバイスをお渡しした方がいいのかな、って思ってるんです。いかがでしょうか」

教授「負のオーラか、君はすごいね。単なる紙から、そんなものを感じ取るなんてな」

僕「え?」

教授「幽霊とかも見えるのか?次回から『霊能力者☆僕の研究人生相談所ー除霊もするよ!』に連載タイトルを変更したらどうだ?」

僕「機転のきいたツッコミが思い浮かばないんですが・・・」

教授「そうか。まあ、俺らはお笑いコンビのネタ合わせをしてるわけじゃないからな。別に気にする必要はないよ。あと、どの相談に答えるかも君が選べばいい」

僕「はい、何となくすみません。では、お言葉に甘えて今日はこちらの負のオーラ漂う相談をお願いします。相談者は既婚男性で某国立大学の特任助教の方です」

教授「そのプロフィールを聞くだけでシンドそうな生活だとわかる。まあ、自分で選んだ人生だ。自分で責任を持って頑張りなさい。以上」

僕「まだ相談内容を紹介していません」

教授「別にどんな内容でもいい。結論は一緒だ。人生は自己責任。自分で何とかしなさい。そもそも、そいつが苦労しようがしまいが俺には関係ない」

僕「人生相談というコーナーの前提を根本から否定しないでください」

教授「ふん。じゃあ、相談内容だけは聞いてやる」

僕「ありがとうございます。この方、確かに教授のおっしゃるようにシンドイ生活を送っているようです」

教授「そうだろうな」

僕「仕事では所属研究室の教授・准教授からの過度な要求が厳しいようです。具体的には、研究・教育・雑務と書いてあります」

教授「で?」

僕「あと、家庭でも奥様からDVのようなことをされているようです」

教授「DVのような?」

僕「暴力は受けていないようなんですが、『うだつのあがらない亭主』だとか『給料が少なくて将来の見込みが薄い』みたいなことを毎日のように言われるらしいんです」

教授「それは普通にDVなんじゃないのか?まあ、自分が好きで結婚した相手だろ。最期まで頑張って添い遂げなさい」

僕「まあそうなんですが、このお相手の方は結婚前からも精神に不安定なところがあったりしていたようです。でも、そんなところを見て相談者の方は自分が守らなければ、と思ったようです。それに、自分に対して厳しいことを言うところも、自分に足りないところを遠慮なく指摘してくれるので自分が成長できる、と受け取ったようです。なので、博士課程を修了したと同時に結婚したようです」

教授「自分の見る目がなかったんです、と告白しているようにしか聞こえないんだが?」

僕「はい、相談者もそう書いています。でも、実際問題として、仕事でも家庭でも常に追い詰められているような状況なので、かなり精神的に厳しいようなんです。鬱かもしれない、と思うこともあるようなんです」

教授「病院に行けばいいんじゃないか?」

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