教授と僕の研究人生相談所



第57回(更新日:2015年12月7日)

9時〜5時の労働時間で研究者は務まるか(前編)

教授「今月は忙しいと言っているのに、昼食の時間にまでついてきおって・・・。君は同性もストーカーするのか?」

僕「僕はストーカーじゃないですよ。いきなり人聞きの悪い事を言わないでください」

教授「俺は一人で昼食を食べるのが好きなんだ。だから今日は君が目の前にいても、俺は自分のペースで昼食を食べるぞ。それで食べ終わったら仕事に戻る。今年中にやらないといけない締め切りがまだいくつも残ってるんだ」

僕「でも、教授は日頃から締め切りは期日が過ぎてからが勝負だと言ってませんでしたか?」

教授「ふん。締め切りには種類がある」

僕「種類?」

教授「守らないといけないもの、延長が可能なもの、スルーしていいもの、の3種類だ。後者2つは期日が過ぎてからが勝負だが、前者は締め切りを守らないと俺の生活に響く」

僕「ちなみに、この連載記事は・・・?(恐る恐る聞いてみる)」

教授「こんなの俺の仕事じゃない」

僕「ぐ・・・。でも、もし書籍化されてすごい売れたら?」

教授「報酬はもちろん折半だ」

僕「・・・」

教授「ま、無能な老害教授とこれまた無能な意識高い系学生の会話なんかは本になるわけがない。無駄な期待をするのはよしたまえ」

僕「無能な意識高い系・・・」

教授「なんだ、君は自分のことを将来有望な優秀な学生だとでも思っているのか?まるで意識高い系学生じゃないか」

僕「ぐ・・・」

教授「ま、もし仮に君の連載を書籍化したいなんて出版社がいたら・・・」

僕「いたら・・・?」

教授「接待でもしてもらおう。美味しい酒と飯がタダで味わえる」

僕「・・・読者からの相談に移ってもよろしいでしょうか?」

教授「ふん、君は相変わらず面白みのないやつだ。で、今回の相談は?」

僕「これとかどうでしょうか?9時〜5時の労働時間で研究者は務まるかという内容なんですが」

教授「無理。以上。ということで今日は終わり。君は今日の会話を文章にまとめて編集部に送りなさい。報酬はいつも通りスイスの俺の口座に振り込むように伝えておきなさい」

僕「スイスの口座?」

教授「・・・君とは世代が違うんだな。そのネタは忘れてくれ」

僕「・・・すみません」

教授「気にしなくていいよ。じゃ、君はもう帰りなさい」

僕「いえいえ、まだ相談に答えてもらってません」

教授「答えただろ。無理だよ、9時〜5時の労働時間で研究者をやっていくなんて」

僕「でも今回の相談者は家庭の事情であまり長時間は働けないようなんです。だけど研究は好きで、できれば、そういう限られた時間ででも研究活動をできないかと悩んでいるようなんです」

教授「9時〜5時で働く時間を確保できるなら、別に研究者になんかならなくてもいいんじゃないの?」

僕「相談者の根本的な前提を否定しないでください」

教授「9時〜5時を継続的に毎日使えるのであれば、本来であれば1日の研究時間としては十分なはずなんだよ。だがな、研究者として生活するってのは、世間が考える研究活動だけをしていればいいってもんじゃないんだ」

僕「と言いますと?」

教授「ご馳走様でした、っと。じゃ、俺は仕事に戻るよ」

僕「え?」

教授「悪いが、本当に時間がないんだ。適当に『前編』とかという感じで記事を書いてくれ。それか、続きは君が勝手に創作してくれても構わんよ」

僕「僕では教授みたいな回答はできません」

教授「そうか、それは残念だ」

僕「『後編』は次回お願いしてもよろしいでしょうか」

教授「君の連載が無事に書籍化されることが決まり、その出版社が接待をしてくれるなら、その場で『後編』用に何か答えてやるよ。じゃ、そういうことで(颯爽と学食を去っていく)」

僕「・・・」

執筆者:「尊敬すべき教授」と「その愛すべき学生」

*このコーナーでは「教授」への質問を大募集しています。質問内容はinfo@biomedcircus.comまでお願いいたします(役職・学年、研究分野、性別等、差し支えない程度で教えていただければ「教授」が質問に答えやすくなると思います)。

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