教授と僕の研究人生相談所



第58回(更新日:2016年1月4日)

9時〜5時の労働時間で研究者は務まるか(後編) 1ページ目/全2ページ

僕「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」

教授「・・・」

僕「年を跨いでしまいましたが、今日は前回の続きということでお願いします」

教授「・・・」

僕「教授?」

教授「俺は昨日で仕事納めだった。今日は仕事とは関係なくラボに立ち寄っただけなのに、なぜ俺は君とランチを食べているんだ?」

僕「運が良かったです。まさか今年(2015年)中に教授を捕まえられるとは思ってなかったので。今日伺うお話の内容は2015年中には掲載されないと思いますが、年明けすぐにでも掲載してもらえればと思ってます」

教授「俺にとっては運が悪かった。まさか、このタイミングに君に遭遇するとは。そもそも、この連載はいつ終わるんだ?ダラダラ引き伸ばしても読者が飽きるだけだぞ」

僕「まだ読者は飽きてないと思います。むしろ教授がこのまま逃亡してしまうのを心配してるんじゃないでしょうか」

教授「ふん。俺が逃亡して連載が終了する可能性よりも、君が女児にちょっかいだして逮捕されて連載が終了する可能性の方が高いだろう。読者はそっちを心配するべきだな」

僕「新年早々、そんな発言はしないでください」

教授「今は年末だ」

僕「いやまあそうなんですが・・・」

教授「まあいい、早く本題に入るぞ。今回の相談はなんだ?」

僕「前回の続きなのですが」

教授「前回のことなんて覚えてるわけないだろう」

僕「ぐ・・・」

教授「ところで、たしか前回の最後に俺は、この連載を書籍化する出版社が接待するなら続きをする、とかと言った気がするぞ。接待はどうした」

僕「どうしてそういうことは覚えているんですか?」

教授「俺は自分にメリットのあることは忘れない」

僕「・・・」

教授「まあいい。今回は前回の続きということだが、相談は何だった?」

僕「えっと、9時〜5時の労働時間で研究者は務まるかという相談です」

教授「無理。以上。ということで今日は終わり。それでは良いお年を」

僕「いえいえいえいえ。無理という即答は前回も頂いたので、なぜ無理なのか、無理であっても何とかならないか、とかについて教授のアドバイスなんかをいただけないでしょうか」

教授「なんでそんなアドバイスをしないといけないんだ?」

僕「この連載は研究人生相談所です。相談者の皆様は教授からのアドバイスを聞くためにメールを送ってくれてるんです。それに、今回の相談者の方は、家庭の事情で9時〜5時くらいしか働けないけど、研究に興味があるので出来れば研究者として生計を立てたいらしいので、何かしらのアドバイスを教授からもらいたいんじゃないかと思います」

教授「君は9時〜5時の労働時間で研究者が務まると思うかね?」

僕「え?」

教授「今の君のラボでの滞在時間や、同じラボの周りの人たちの労働環境、知り合いの研究者の労働環境、ネットとかでの情報、なんかから総合的に判断してどう思う?」

僕「えっと・・・、この相談者には悪いんですが、正直なところ難しいんじゃないかと思います・・・」

教授「だろ。無理無理。9時〜5時で研究者なんて。そもそも月曜日から金曜日までの9時〜5時を労働時間に当てられるんだったら、研究者じゃなくてもっと別の職種を目指せばいいじゃないか。なんでわざわざ生計を立てにくい研究者なんてやりたがるんだ?」

僕「でも教授も研究者をやってるのでは?」

教授「ふん、時代が違うだろ。俺らの時代は、それなりの大学を出て、それなりの派閥に入っていれば、大学に残れば何とか暮らせた。地位も名誉もお金も、そんなに苦労してなくてもそこそこのモノは手に入れられたんだ。だから俺みたいなのでも教授なんて地位になれたんだ。だがな、これからの時代は違うぞ。研究者をやりながら、まともな給料やら地位やらをゲットできるのはホンの一握りだ。しかも、それは研究者としての能力とは関係ないところで決まりやすい」

僕「と言いますと?」

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