教授と僕の研究人生相談所



第65回(更新日:2016年11月13日)

他人から与えられるのを待ってるだけではダメだ 1ページ目/全2ページ

僕「教授、遂に僕らの連載が本になります!!!」

教授「あ、そう(目線を合わさずにコーヒーを飲みながら)」

僕「何でそんなに元気がないんですか?僕らの連載が本になるんですよ」

教授「何度でも言うが、『僕ら』の連載ではなく、『君の』連載だ。それにしても、週末にフラっと立ち寄った本屋で君に遭遇するとは・・・」

僕「すごい偶然ですね」

教授「俺のカバンに発信装置でもつけたのか」

僕「そんなことしませんって。ストーカーじゃないんですから」

教授「俺のカバンに発信装置をつけるくらいなら、同じ研究室の◯◯ちゃんのカバンにつけます、ってか。警察につかまったら退学だから気をつけろよ」

僕「人聞きの悪いこと言わないでくださいよ。でも教授、書籍化されるのに何でそんなに冷静なんですか?」

教授「逆に聞くが、なんで君はそんなに興奮してるんだ?」

僕「だって、自分で書いた文章が出版物という形になるんですよ!」

教授「俺は既に論文やら何やらで、君の言うところの『自分の文章が形になる』という経験は飽きるほどしている」

僕「ぐ・・・。で、でも、印税だってもらえるんですよ!そんなに興味がなさそうでしたら、僕が全部印税をもらっちゃいますからね」

教授「いいよ、別に」

僕「え・・・?」

教授「俺は印税はいらん。君の連載であり君の本なんだから、君が全て印税をもらえばいいじゃないか」

僕「でも・・・」

教授「ふん。君は本当に何もわかってないな」

僕「え?」

教授「本になると言っても、電子書籍だろ」

僕「はい。そりゃあ紙の本を出して、こういった本屋に並べてもらえばベストかもしれません(注:この日は本屋に併設されてる喫茶店で教授のお話を伺いました)。でも、僕にとっては電子書籍としての出版でも充分すぎるほと嬉しいです。だって、Amazon.comで売られるんですよ」

教授「別に俺は電子書籍をバカにしてるわけではない」

僕「あ、そうなんですか」

教授「電子書籍も立派な本だよ。で、君の本はいくらで売りに出るんだ?」

僕「えっと、編集者のお話では読者の方が手に入れやすいようにと250円での発売を考えているようです。もちろん、最終的な価格は総ページ数にもよるでしょうし、もちろん僕らの意向も反映させてくれます。まあ、僕としては250円でも全然問題ないんですけどね。教授はどうです?」

教授「俺の本じゃないから、君も編集部も250円でということならそれでいいんじゃないか。で、その本の印税は?本が売れたら価格の何パーセントが君の懐に入るんだ?」

僕「えっと、たしか本の価格の20%とかだったような・・・」

教授「20%?ほんとか?」

僕「え、えぇ。たしかメールにはそう書いてあったような」

教授「そりゃ随分と太っ腹だな。普通は著者の印税なんて8~10%だと言うのに」

僕「電子書籍ということで、紙の本を出版するよりも経費がかからないのかもしれませんね」

教授「そうかもしれんな。だが、紙の本よりも圧倒的に売れる部数は少ないだろう。しかも、紙の本だと仮に売れてなくても本が刷られた数に応じて印税額が計算されるが、電子書籍だと実売数に応じて印税が支払われる」

僕「なるほど」

教授「で、君は何冊くらい売れると思ってるんだ?」

僕「えーっと、そうですね。手前味噌ながら、この連載は人気があるようですし、あ、もちろん教授のおかげですが」

教授「オベッカを使う必要はない」

僕「あ、はい、すみません。えっと、販売数の見込みですが、人気もありますし、本の値段も250円と安いですし、Amazon.comで売られますし、まあ500冊くらいは売れるんじゃないかと」

教授「はん(鼻で笑う)」

僕「えー、何でですか?」

教授「いや気にしなくていい」

僕「気になりますよ。何でですか?」

教授「気にするな。で、500冊売れたとしよう。君の取り分はいくらになるね?」

僕「えっと、実は既に計算してるんです。この表を見てください(iPadの画面を見せる。画面には、売れた数と印税の金額の対応表が出てる)」

教授「・・・まさに取らぬ狸の皮算用だな(ボソ)」

僕「え、何か言いました?」

教授「何も言ってない。で、この表によると500冊だと印税は2万5000円か。端金だな」

僕「でも教授、もしかしたらベストセラーになるかもしれませんよ。仮に1万部売れたら50万円、10万部売れたら500万円ですよ!」

教授「そんなに売れると思うのか?」

僕「売れないですよね・・・。でも、いいんです。お金じゃないんです。自分の書いた文章が電子書籍とはいえ本になってAmazon.comで売られるなんて、それだけで充分です」

教授「あ、そう。まあ俺は興味ないし、500冊も売れないと思うし、仮に500冊売れても印税が2万5000円なんて端金だから、印税は君が全部もらえばいいと思うよ」

僕「ホントですか教授?超スーパーベストセラーになって100万部越えになって印税が5000万円になっても後悔しないでくださいよ」

教授「しないよ(冷静に即答)」

僕「ぐ・・・。でも、だとしたら教授は何冊くらい売れると思うんですか?」

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