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第4回(更新日:2013年9月24日)

論文リジェクトの理由 トップ10

Dr. Eddy


【読者からの質問】
最近投稿した論文2本がジャーナルにリジェクトされてしまいました。査読者のコメントを読んでいると、指摘されたいくつかのエラー(不適当な統計解析テストを使っている等)は簡単に防げたものだということに気づきました。論文のリジェクトにつながるよくあるエラーで、防げるものをあげてくれませんか?


リジェクトを防ぐために気をつけたいミス

論文がリジェクトされるのは残念なことですが、そのリジェクトされた論文についている査読者のコメントは、次のジャーナルに投稿する前に論文を修正する機会を与えてくれる役立つものです。

指摘されるエラーの中には、研究デザインの深刻な不備のように、論文を書いた段階では修正できない致命的なものもありますが、その他のよくあるエラーは論文を準備する段階で簡単に防ぐことができます。いくつかの研究では、論文のリジェクトの理由が議論にのぼっています。

以下にリジェクトにつながるよくあるミスと、そのミスを防ぐコツをあげます。

1. 不適切または不完全な統計
・正しい統計解析手法を使っているか確認しましょう
・分析手法を詳細に記述しましょう
・確率値と決定係数を適切な個所に報告しましょう

2. 結果の過剰解釈
・実際に得られた所見と釣り合わない結論を導き出すのは避けましょう
・自分の研究の限界を認識しておきましょう
・自分のデータを裏付けるのに必要・関係のない情報を論文に入れないようにしましょう

3. 不適切な計測
・読者が望めば研究を再現できるように、手法は詳細に記述しましょう
・標準的な方法論や計装の場合は、その方法論・計装を使った関連する先行研究を引用しましょう
・調査票や質問表など、とても記述が長くなる場合は、それらは補足情報の項へ入れましょう

4. 少ないサンプル数
・出版されている文献をチェックし、同様の研究において受け入れられるサンプルのサイズを調べましょう
・算入基準と除外基準をはっきり記載しましょう

5. 分かりにくい文章
・論文の中に長くてわかりづらい文章がないか確認しましょう。その代わりにシンプルで直接的な文章を書くようにしましょう
・英語を話す同僚か専門家に論文の体裁について批評してもらいましょう
・広い読者層を持つジャーナルに投稿する場合、専門用語の使用は避けましょう
・できるだけ、ローカライズされた単語や参考文献は取り除くべきです。国際的な文献でよく使われる、標準的な用語を使いましょう

6. 不十分な問題設定
・研究の目的はアブストラクトと論文の冒頭で明らかに示されているべきです
・研究の結論が自分の仮説・問題設定・研究目的と結びついているかを確認しましょう

7. 不正確または一貫していないデータの報告
・アブストラクトと本文、結果と図表など、論文の異なる部分で報告している類似したデータの間に一貫性があることを保証しましょう
・不確実なデータではなく、自分の仮説や目的を裏付ける有効なデータを並べましょう

8. 不完全、不正確または時代遅れの文献レビュー
・最近出版された関連する最新の文献を引用しましょう。時代遅れの文献を引用するのはあなた自身の研究課題についての理解不足を反映します
・自分の結論を支持しない研究を選択的に避けないようにしましょう。その代わり、それらについて議論し、なぜ自分のデータがすでに知られていることとは違っているのか、できる限り説明しましょう

9. 不十分なデータの提示
・出来るだけ多くのデータを提供しましょう。可能なら補足データも提出することを考えましょう
・データが出版するには予備的すぎないことを確認しましょう

10. 欠陥のある図表
・図表が簡潔で分かりやすいかどうか確認しましょう。
・自分が最適なかたちでデータを説明しているかチェックしましょう
(例えば、自分のデータを表すのは、ヒストグラムのほうが線グラフより良いでしょうか?)

あなたの論文が説得力のあるメッセージを効果的に伝えていて、上にあげたエラーがないのが確かであれば、リジェクトされるリスクはかなり低くなるでしょう。是非参考にして下さい。

また、この記事に関する意見や、他のご質問がありましたら、英文校正エディテージ dr.eddy@editage.comまでお送り下さい。

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記事執筆:カクタス・コミュニケーションズ株式会社【英文校正エディテージ】http://www.editage.jp/

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