Making the Right Movesの一人輪読会をしてみる
Tweet第0回(更新日:2014年11月19日)
まえがき
Making the Right Moves: A Practical Guide to Scientific Management for Postdocs and New Facultyという冊子があります。
これは、Howard Hughes Medical InstituteとBurroughs Wellcome Fundが、ラボを持ったばかりの若いPI(Principal Investigator)や、独立を考えているポスドク向けに発行している冊子で、誰でも無料で手に入れることができます。
初版は2002年に発行され、現在入手できるバージョンは2005年に改訂された第2版となっています。10年近く前の冊子ではありますが、そのボリュームは大きく内容も洗練されたものです(私はまだ全部をきちんと読んでいないのですが・・・)。
私は今年の4月からアメリカの某都市でポスドクをしており、こちらに来た直後にラボのPIから、この冊子を渡されました。
彼曰く、「同じアカデミアでも、アメリカと日本ではその中身(組織図とかそういうの)は違うはずだ。サイエンスはもちろん大事だが、研究者として生活するためには、実験だけをしていては足下がおぼつかない。特に、君みたいな外国から来た人は、研究面では問題なくても、アメリカのアカデミアのルールを知らないが故に苦労することが多い。この冊子は古いが、そこに書いていることはアメリカのアカデミア組織の基礎の基礎だから、君みたいな立場の人間には役立つと思う。もし仮に君がアメリカで独立しようとするのであれば、尚更この冊子は読むべきだ。(意訳)」でした。
ということで、この冊子を渡され読んでいます。ただ、一人で読んでいると強制力がなく、あまり先に進まないので誰かと輪読会をしたいなと思っていたのですが、友人がいなくて(涙)どうしようか途方に暮れていました。
そんなとき、たまたま目にしたTwitterのタイムラインでBioMedサーカス.comさんが連載記事を募集してたのを見て、思い切って編集部に問い合わせをして、この冊子の内容を紹介するという形の連載をさせていただくことになりました。
***
この冊子は全部で13章からなり、各章のタイトルとページ数は以下のようになっています。
Chapter 1: Obtaining and Negotiating a Faculty Position (20 pages)
Chapter 2: Understanding University Structure and Planning for Tenure (24 pages)
Chapter 3: Laboratory Leadership in Science (28 pages)
Chapter 4: Staffing Your Laboratory (20 pages)
Chapter 5: Mentoring and Being Mentored (16 pages)
Chapter 6: Time Management (12 pages)
Chapter 7: Project Management (18 pages)
Chapter 8: Data Management and Laboratory Notebooks (10 pages)
Chapter 9: Getting Fund (22 pages)
Chapter 10: Getting Published and Increasing Your Visibility (12 pages)
Chapter 11: Understanding Technology Transfer (14 pages)
Chapter 12: Setting Up Collaborations (11 pages)
Chapter 13: Teaching and Course Design (36 pages)
研究をしながら苦手な英語で書かれた文章を読むということで、本連載の更新頻度はあまり高くはないと思いますが、気長にお付き合いしてくだされば幸いです。
ちなみに、私が入手したのは冊子となったものですが、PDF版も無料でダウンロードできるので、興味のある方は下記のURLよりダウンロードしてみてください。
http://www.hhmi.org/programs/resources-early-career-scientist-development/making-right-moves
それでは次回よりどうぞよろしくお願いいたします。