■TAKAKOの文献紹介
第6回:そんなに悪者扱いしないで!by 活性酸素〜PLoS Biology誌から(2011年7月8日更新)
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2011年の半分が終わったなんて信じられない。そんな毎日を過ごしているTAKAKOですが、皆さんはお元気ですか?お正月に立てた抱負は達成できそうですか?(←余計なお世話)
本日紹介する論文は、PLoS Biologyに掲載された「Hydrogen peroxide promotes injury-induced peripheral sensory axon regeneration in the zebrafish skin.(Rieger S & Sagasti A, PMID: 21629674)」です。
TAKAKO流にタイトルを和訳すると「過酸化酸素がゼブラフィッシュの末梢感覚神経の軸索を復活させちゃったよ☆」という感じになります。ちなみに、「携帯メールとかで☆を使うとオツムが弱そうに見えるよね?」って中学高校大学とずっと一緒の友達に言ったら、「あんたは使わなくてもそう見えるから安心していいよ☆」と言われてしまいました。彼女との腐れ縁もそろそろ切る頃なのかもしれません。
さて、過酸化水素に代表される活性酸素種は、一般には私達の体(細胞)にとって悪い作用を及ぼすと考えられています。実際、老化などに伴い活性酸素が過剰に蓄積されると、体内の至る所(お肌も!)がダメージを受けてきます。そのため、ビタミン類など活性酸素を除去する作用のある物質を含む食べ物(果実やお茶など)は体に良いと言われます。
そんな悪者扱いされる活性酸素ですが、実は低いレベルだったら体内で「良い」働きをすることがわかってきています。今回の論文でも、細胞障害を起こさない濃度の過酸化水素が末梢感覚神経の軸索の伸長を促進することが実験的に確認されました。この論文では、障害部位での過酸化酸素のレベルが通常よりも上がっていることも示しており、障害部位での過酸化酸素の産生は悪い面だけでなく良い面もあると論じています。
ちなみに、私はゼブラフィッシュの実物を見たことがありません。先日、ゼブラフィッシュを使っている研究室に配属になった同期の人に「ゼブラフィッシュ見せて☆」と言ったら、「いいけど食べないでね」と真顔で返されてしまいました。なんとなく腑に落ちないので、明日はお寿司(回るやつ)でも食べに行こうと思います。それでは皆さんさようなら。