■TAKAKOの文献紹介

第8回:あなたと私は相互依存〜Nat Neuroscie誌から(2011年12月11日更新)

先生も走る、私も走る、師走のTAKAKOです。こんにちは。前回の記事から随分と時間が経ってしまいましたが、皆さんはお元気でしたか?私のこと覚えてますか?私の夢はサイエンスライター&サイエンスコミュニケーターなので忘れていたら思い出してくださいね☆

どうでもいい挨拶から始めましたが、連載が中断していてごめんなさい。気がつけば4ヶ月近くも間隔が空いてしまいました。時が経つのは早いですね。光陰矢の如し、学成り難し、実験失敗しまくり。今年も残り僅かです。それまでに何とか予定していた実験を終わりにしたいです。そうでないとシャーレにいる細胞君たちと2012年のカウントダウンをする羽目になってしまいます。

愚痴はこの程度にして本題へと移ります。本日紹介するのは論文ではなく、Nature NeuroscienceのEditorialで紹介された記事です。タイトルはFocus on neurovascular interactions(http://www.nature.com/neuro/journal/v14/n11/full/nn1111-1353.html)です。たった一ページの短い記事ですが、内容が詰まっていて読み物としても面白いです。Abstractに相当する部分は2文なので、ここで紹介します。

Blood vessels in the nervous system are not simply inert bystanders that only support the metabolic needs of neurons. We present a focus on neurovascular interactions that highlights our emerging knowledge of how these interactions shape neuronal function both in health and disease.

TAKAKO流に訳すと「神経系の血管は単に栄養を運ぶだけじゃないよ、もっと色んなことをしてるんだよ!」です。まあ、栄養(酸素とかグルコース)を脳に運んで神経細胞を養っているだけでも充分に働いていると思うのですが、血管は他の点でも神経系に役に立っているということらしいです。

タイトルにあるneurovascularという単語は最近ちょくちょく見るようになってきたように思います。この単語を辞書で引くと、「神経血管(←何のひねりもない!)」と出てくるのですが、よりわかりやすく表現すると「神経系と血管系の相互作用」と言ったところでしょうか。ですが、今回の記事を読むとneurovasclar interactionsには他の細胞(ペリサイトなど)も含まれているようで、複数の脳細胞が相互に作用し合って脳の機能を維持していると論じています。

今回の記事でneurovascular interactionsは、異なる細胞同士の相互作用という意味合いで使われています。ですが、最近の論文などでは、同じような現象を表すためにtrophic couplingという表現も使われるようです。trophic couplingって何?って感じですが、わかりやすく言うと「AとBの細胞がある場合に、AがBを必要としていてBもAを必要としている状態」と定義できるようです。

別の例を出すと、読者の皆さんとTAKAKOの関係ですね。皆さんがTAKAKOを必要としているように、TAKAKOも皆さんを必要としてるんです。この連載が続くためには、そして私の夢を実現するためには皆さんの応援が必要なんです。これからも応援よろしくね☆


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