Nature/Scienceのニュース記事から



第87回(2015年8月26日更新)

有名人によるSNSでの医薬品の宣伝

        

アメリカの人気タレントKim Kardashianが、Diclegisという「つわり」の薬をInstagramで宣伝したことにより、販売元の製薬会社がFDAから警告を受ける事態となった。彼女はこの薬を販売するDuchesnayからスポークスウーマンとして報酬を受け取っている。彼女はこの薬を自分で使用した経験をもとにSNSで宣伝した。

宣伝内容は、自分が薬の容器を持って写っている写真とともに、「この薬を飲んで具合が良くなったし、胎児に対するリスクが上がらないということも研究からわかっている」というテキストを合わせたもの。このInstagramのアカウントは彼女自身のTwitterのアカウントとも連動しており、このポストは45万人以上からの「いいね」を受けている。

FDAはDuchesnay社に対し 、「Kardashian氏によるSNSの書き込みはミスリーディングである。効果については述べているがリスク情報に触れていない」として警告した。Diclegisには、強い眠気などを副作用の可能性がある。FDAはDuchesnay社に対し、同じSNSサービスを使って同じビューワーに対して訂正を発表することを求めている。Duchesnay社は2013年にもミスリーディングな宣伝で注意を受けている。

Kim KardashianhはDuchesnay社のスポークスウーマンとして契約している。その発端は、Kardashianが妊娠中でつわりが重いということを知ったDuchesnay側がKardashianに接触し、Kardashianが医師から既にDiclegisを処方されていることを知ったことにあるとされている。

具体的な契約内容などは明らかにされていないが、KardashianがInstagramに問題の宣伝をポストした翌日に、Duchesnay社は自社サイトに、彼女が妊婦たちにつわりの薬について医師に相談するように勧めたことを賞賛するコメントを掲載している。また、Kardashianの問題の宣伝ポストついては、事前にDuchesnay社が内容を確認してGoサインを出していたという。

昨今のSNS利用の広まりにより、FDAはインターネットにおける有名人による医薬品の宣伝の規制に苦慮している。

http://www.forbes.com/sites/davidkroll/2015/08/11/fda-spanks-drug-maker-over-kim-kardashian-instagram-endorsement/
 http://money.cnn.com/2015/08/11/news/companies/kim-kardashian-fda-warning-duchesnay/

ページトップへ戻る

Copyright(C) BioMedサーカス.com, All Rights Reserved.