Nature/Scienceのニュース記事から



第92回(2015年10月28日更新)

アメリカでポスドク人口が減少に転じる


(画像はイメージです)

過去30年以上の間増加し続けてきた医学生物学分野のポスドクの数が、初めて減少に転じたことが公式に発表された。

1979年から2010年までの間、同分野のポスドクの人数は約10,000人から40,000人以上へと増加し続けていたが、2010年から減少に転じ、2013年までの3年間で5.5%減少して約38,000人となった。NIHからの研究費が大幅に減少し、ポスドクのポジション数も減ったことが最大の原因だと考えられる。

一方で、学位取得者数は依然増加を続けている。学位取得後の若い研究者たちは、アカデミアでポジションを得ることができる可能性について、より現実的な判断をするようになったと言われている。彼ら彼女らの、早いうちに別のキャリアを目指すという姿勢も、ポスドク数減少の原因となっているのかも知れない。

また、この調査では1人あたりの平均ポスドク年数も減少したことが確認された。さらに、アメリカ人ポスドクと外国人ポスドクの両方が性別に関わらず減少していることも明らかとなった。ただし、最も大きく減少したのはアメリカ人男性ポスドクで、3年で10.4%の減少であった。

この統計は大学で働くポスドクのみが対象となっており、政府機関や企業などでのポスドク数は反映されていない。また、ポスドクの正式職位名や給料の出どころは様々であり、人数を正確に把握するのが難しい。実際、ポスドクを何人雇っているのが把握していない研究機関も多かったという。そのため、ポスドクのより正確な実態を把握するには、もう少し時間がかかりそうだ。

http://www.nature.com/news/massive-pool-of-us-biomedical-postdocs-starts-to-shrink-1.18632

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