研究者の声:オピニオン



2015年6月19日更新

末は教授か麻薬屋か

「大学の予算削減でポストを失った37歳の生物系研究者。彼が次の稼業として選んだのは、元アカデミアのメンバーを集め、これまでの知識を生かし、危険ドラッグを作って売りさばくことだった‥」。

これは、イタリア映画祭2015で上映された映画「いつだってやめられる」のストーリーです。同作品はイタリアのゴールデン・グローブ賞で最優秀コメディー賞を受賞したそうな。

研究者からクスリの売人に。海外のフィクションですが、これが日本の若手研究者の、というか、その一人である自分の、将来像になるなんてこと、あるでしょうか!?

そんなことあるわけないじゃん、と自分に言い聞かせながら、日本のニュースを見ると、「博士号の取得者を5年で倍にする」、「人文系学部・大学院、規模縮小へ転換」など、何やら、苦しむ若手をさらに増やしてしまいそうな政策案が次々と出てきています。あれれ、そんなことも、意外とあるかもしれない!?

文科省は若手の実態や要望を、あまり、いや、ほとんど、わかっていないのではないでしょうか!? そう思えてなりません。文科省に政策を提言するのは主にシニアな方々ですから、若手を代弁するような意見はほとんど出ないのでしょう。また、若手が自分たちの意見を文科省に伝える機会もほとんどなかったのでは。我々は麻薬屋になるかもしれない将来を、ただ指をくわえて受け入れるほかないのでしょうか。

否。対話型政策形成室という、文科省との対話の扉が今まさに開いているというではないですか。

院生やポスドクの若手のみなさん!

若手の立場から、現状の若手育成政策に何が足りないのか、それを良くするために、どんなことを求めたいのかなど、ご意見を教えてください。いただいたご意見をまとめて、実際に対話型政策形成室に乗り込んでガチ議論をして来ます!

内容については、[1]研究・[2]教育・[3]ポスト(生活)の、3つのカテゴリに分けたいと思います。

具体的な意見の例は、以下のようでしょうか。

[1] 研究:ピペドはうんざり!

[2] 教育:院生のうちにちゃんと論文英語を指導してほしい。

[3] ポスト(生活):ポストがないし、あっても任期が短いのどうよ?学振DCやPDにも社会保障をつけてくれ。

文科省にぶつける豪速球、お待ちしております!
 (*コメントはこちらのページで受け付けています)

執筆者:Wakatte

*本記事は日本分子生物学会の『日本の科学を考える』より転載しました。転載元のページのコメント欄には本記事に関する様々な意見が投稿されています。そちらもぜひご覧ください。

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