研究者の声:オピニオン
Tweet2017年2月13日更新
バイオ関連の研究者は機械では代替されにくい?
技術革新のスピードは年々増加しており、現在の仕事(職種)の多くは人工知能などを含めたオートメーション化により取って代わられると言われています。しかしバイオ系の研究者は、そのような流れにおいても機械化されにくいかもしれません。
このほど大手コンサルティング企業のマッキンゼーが、アメリカにおいて750種類以上の職種について詳細な解析を行い、現存するテクノロジーにより自動化される確率を発表しました。
このリストによると、バイオ系の研究者に関する職業は少なくとも2つリストされており、1つは「Biological Scientists, All Other」で、もう1つは「Medical Scientists, Except Epidemiologists」です。
Biological Scientists, All Otherの情報を詳しくみてみると、現在アメリカには3万3千人のBiological Scientistsがいるとされています。そして、彼ら彼女らの平均賃金は$35/hourとなっています。週に40時間働くと仮定すると、年収は$72,800(日本円でおよそ800万円)となります。そして、気になる「テクノロジーによるオートメーション化の確率」は28%となっています。
また、Medical Scientists, Except Epidemiologistsの場合、アメリカ国内にこの職業に就いている人は4万2千人おり、平均賃金は$104/hour(年収ベースで2000万円以上)となっています。この賃金の高さは、Medical Scientistsに臨床研究医(臨床と基礎研究の両方をしている)がかなりの割合含まれているからだと思われます。そして、オートメーション化の確率は25%と計算されています。
ちなみに、医学生物学系のテクニシャン職は「Medical and Clinical Laboratory Technicians」と「Biological Technicians」の2つがリストされています。Medical and Clinical Laboratory Techniciansは年収450万円でオートメーション化の確率は64%、Biological Techniciansも年収450万円程度でオートメーション化の確率も69%とほぼ同様になっています。したがって、マッキンゼーの調査結果によると、研究者はテクニシャン職よりもオートメーション化されにくく、年収も高い職業であるようです。
参考までにオートメーション化されやすい職業にどのようなものがあるかを見てみると、「Medical Appliance Technicians(医療機器技術者)」がオートメーション化の確率が100%(年収は450万円程度)となっています。逆にオートメーション化されにくい職業には「Animal Scientists」があり、オートメーション化の確率は0%(年収は800万円)となっています。
これらの調査結果が必ずしも正しいとは限りませんが、少なくともバイオ系の研究者はオートメーション化されにくい職業であると考えても良さそうです。
マッキンゼーの調査結果はこちらから見られますのでご興味のある方はどうぞ。研究関係以外にも色々な職種が含まれています。
バイオの研究者がどんなことを考えて研究しているかがわかる一冊です!