研究こぼれ話
Tweet2013年11月1日
漫画HUNTERxHUNTERに学ぶ研究者の階級
HUNTER×HUNTERという人気コミックがあります。この漫画は、主人公のゴンという少年がハンターという職業に憧れてハンター試験を受けにいくところから物語が始まります。
この作品での「ハンター」とは...
怪物・財宝・賞金首・美食・遺跡・幻獣……など、稀少な事物を追求することに生涯をかける人々の総称。プロのハンターの資格を得るには、数百万分の一の難関と言われるハンター試験を突破しなければならない。しかし、この試験に合格してもさらに念能力(ハンターが持つ特殊能力のこと)を試す裏試験があり、これも突破しなければ一人前のハンターとはされない。今のところ、全世界に600人ほど居るらしい。
(Wikipediaより)
ということになっています。
ちなみに、ハンター試験と、それを通過した後に授与されるライセンスに関する説明は...
ハンター協会主催のハンターライセンス授与試験。あくまで民間主催の民間資格だが、この世界においてハンター協会は国家規模を大きく上回る規模と信頼性を持ち、国際的ライセンスとして各国との協定が結ばれ、国家資格かそれ以上の信用ある資格として広く認められている。この試験を通過するとプロハンターとされ、ハンターライセンスが授与される。
(Wikipediaより)
となっています。
また、ハンターには以下のように階級が設定されています。(いずれもWikipediaより引用)
アマチュア:
ライセンスを持たないがハンターを名乗り仕事をする人。実力の高低に関わらずライセンス非所持者を全てアマチュアと呼ぶため、単なる詐称から念能力者(ハンターが持つべき特殊能力を持っている者)まで実力は様々。ハンターでない場合、様々な特権が使えないというだけで、仕事をしてはいけないという法律がある訳ではないので、必要が無いからと資格を取得しようとしない人もいる。
ライセンス非所持と言うだけで信用のランクが1つ落ちはするが、高度な任務ほどライセンスの有無だけで判断しなくなるため、結果的に正規ハンターよりも信用を得ているアマチュアも存在する。
ライセンス取得者:
ハンター試験を合格しハンターライセンスを持っているが、後述の裏試験にまだ合格していない人。ライセンスを持っているので各種特権を利用出来るが、念(ハンターが持つべき特殊能力)を体得していないのでハンターとしての実力は半人前以下としか見られない。
プロ:
ハンター試験を突破し、かつ裏試験にも合格した人。ハンターとしての実力は、念を体得して初めて一人前と言われる。
一ツ星(シングル):
プロハンターの中でも、ある1つの分野で大きな成功を残したハンターに贈られる称号。ハンターライセンスに星マークが1つ刻まれる。
二ツ星(ダブル):
プロハンターの中でも、さまざまな分野で大きな成功を残したハンターに贈られる称号。ハンターライセンスに星マークが2つ刻まれる。
三ツ星(トリプル):
プロハンターの中でも、歴史的な発見や世界的な偉業を成したハンターに贈られる称号。世界に10人といないと言われる。
参考:「裏試験」 正規のハンター試験に合格した人間に、念能力の習得をさせるための秘密裏で行われている試験。この試験に受かり念を習得しないと真のハンターではないと言われている。
さて、どうして長々とHUNTER×HUNTERという世界の設定を説明したかと言うと、この設定が研究の世界(@アカデミア)と共通していることが多いからです。
具体的に、上述の「ハンター」の説明を「研究者」として文章を書き直してみましょう...
研究者:
医学・薬学・生物学・理学・工学・歴史・経済・法律……など、この世の中の事物を追求することに生涯をかける人々の総称。プロの研究者の資格(=博士号)を得るには、??分の一の難関と言われる博士課程を突破しなければならない。しかし、この試練を突破してもさらにテニュアトラックの職を獲得する審査があり、これも突破しなければ一人前の研究者とはされない。今のところ、全世界に ??人ほど居るらしい。
さらに、他の項目も書き換えてみると...
アマチュア:
博士号を持たないが研究者を名乗り仕事をする人。実力の高低に関わらず博士号非所持者を全てアマチュアと呼ぶため、単なる詐称からノーベル賞級の研究をする者まで実力は様々。博士号でない場合、いくつかの国では研究職に就くことができないというだけで、仕事をしてはいけないという法律がある訳ではないので、必要が無いからと資格を取得しようとしない人もいる。
博士号非所持と言うだけで信用のランクが1つ落ちはするが、高度な任務ほど博士号の有無だけで判断しなくなるため、結果的に博士号取得者よりも信用を得ているアマチュアも存在する。
博士号取得者:
博士課程を修了し博士号を持っているが、後述のテニュアトラック試験にまだ通過していない人。博士号を持っているのでどこの国でも研究職に就くことはできるが、自分の研究室を持っていないので独立した研究は出来ず研究者としての実力は半人前以下としか見られない。
プロ:
博士号を取得し、かつテニュアトラック審査を通過した人。研究者としての実力は、独立ラボを持って初めて一人前と言われる。
一ツ星(シングル):
プロ研究者の中でも、ある1つの分野で大きな成功を残した研究者に贈られる称号。ノーベル賞財団の受賞者リストに名前が刻まれる。
二ツ星(ダブル):
プロ研究者の中でも、さまざまな分野で大きな成功を残した研究者に贈られる称号。世界中のプロ研究者から尊敬され心の中にその名前が刻まれる。
三ツ星(トリプル):
プロ研究者の中でも、歴史的な発見や世界的な偉業を成した研究者に贈られる称号。世界に10人といないと言われる。
参考:「テニュアトラック審査」 正規の博士号を取得した人間に、独立ラボの主宰を任せることが出来るかを審査するために行われている試験。この試験に受かり独立ラボを持たないと真の研究者ではないと言われている。
何が言いたいかというと、博士号を持っているだけでは研究者として生活するのは難しいですよ、ということです。博士号を持った人の数が増えている現状、「博士号取得者」というだけでは何の売りにもなりません。
と、博士課程在学中に助教になってしまって博士号を取る機会がないまま研究をやってる人間が説明してみました。博士号欲しいです・・・。
執筆者:アマチュア研究者(漫画好き)