海外ラボリポート



藤田雄 博士 〜米国カリフォルニア大学サンディエゴ校から(2015年12月4日更新)

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研究生活

私が所属するUCSDのCheresh labは、UCSDの施設であるMoores cancer centerにラボをもっていますが、今年より私が勤務するSanford Consortium for Regenerative Medicineにもスペースを拡大しました(前ページの写真1)。こちらはConsortiumの名前の通りUCSDを中心として、Salk institute、Scripps research institute、Sanford Burnham institute、La Jolla Institute for Allergy & Immunologyから20以上のラボが集結する研究施設です。

研究室内は、幾つかの共有スペースに区切られていますが、複数のラボと設備を共有する作りになっており、私が所属する部屋にはHippo pathwayで著名なGuan labが入っています。隣の部屋には日本人のPIもおり、施設内においても日本人研究者と出会うことはよくあります。またUCSDに所属する日本人研究者の集まりがあり、不定期ですが食事会を行ったり、新しくサンディエゴに来られた研究者の方と積極的にネットワークを広げることも行っています。

このような環境にいると、全く違った分野の者同士が、培養室で実験しながら何気なくdiscussionした内容から革新的な研究に展開し、Natureクラスの論文が出ることもまれにあるようです。実際、私もこちらにきてから予想していなかったコラボレーションが幾つか走り出しています。

研究に少し疲れた時は、ラボから最高の景色を眺めることができます。研究所の隣にはTorrey Pineゴルフコースがあり、目の前の海岸からはパラグライダーを楽しむ人と、太平洋に沈む最高の夕日を見ることができます(写真2)。


(写真2:ラボから見える景色)

最後に

研究者としてまだまだ未熟な小生が発言することは恐縮ですが、日本にいる若手研究者の方に私の経験から伝えたいことがあります。多くの方が、英語に自信がなく海外留学を躊躇されていると思いますが、私は英語ができない方こそ海外へ挑戦すべきだと思います。

私もいまだに毎日自身の英語力不足で恥ずかしい思いをしたり、”Do you follow me?”などと言われたこともありました。一番辛いのは、自身が思っていることを日本語のように100%伝えることができないことでした。留学当初は、自宅のセットアップ、ガス、水道、車、運転免許など3ヶ月くらいは落ち着かない生活が続きます。加えて英語力不足によりだいたい何かしらのトラブルに巻き込まれることがあるため、途方にくれることもありますが、徐々に生活や研究が軌道に乗ってくると、日本では経験できないような楽しい時間を味わえることも魅力です。

私には海外留学なんてと思っている方こそ、踏み出してみてはいかがでしょうか?

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執筆者:
  藤田雄

 著者略歴:
  2007年 東京慈恵会医科大学医学部卒業
  2012年 国立がん研究センター研究所
  2015年 PhD所得
  同年7月よりカリフォルニア大学サンディエゴ校にて博士研究員
  E-mail: yufujita@ucsd.edu

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