生成AIが書いたバイオ系短編小説集
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未来予測装置
未来工学研究室は、夜になると静まり返る。
だが、大学院生の佐伯だけは、今日もひとりで端末に向かっていた。
教授が開発した「未来予測装置」は、入力されたデータから“最も起こりそうな未来”を提示するという代物だった。
もっとも、教授いわく「まだ試作段階だよ。せいぜい天気予報より少し当たる程度だ」とのことだ。
佐伯は、こっそり自分の将来を占ってみたくなった。
研究者としては褒められない衝動だが、好奇心には勝てない。
「名前、年齢、研究テーマ……っと」
最後の項目に目が止まる。
〈望む未来〉
「望む未来を入れるのか。ずいぶん親切な装置だな」
佐伯は少し考え、「世界的研究者になる」と入力した。
装置は静かに唸り、やがて画面に一行だけ結果を表示した。
〈あなたは世界的研究者になります〉
「おお、やった」
佐伯は思わず声を上げた。
だが、続けて表示された小さな注釈に気づく。
〈ただし、あなたの研究テーマは“未来予測装置の危険性”です〉
「危険性……?」
佐伯は眉をひそめた。
その瞬間、研究室のドアが開き、教授が顔を出した。
「おや、まだいたのか。ちょうどいい。装置のログを見たんだがね」
教授はにこやかに言った。
「君が入力した“望む未来”の項目、あれはね……」
教授は少し声を潜めた。
「装置が“最も実現しやすい未来”に書き換えるための項目なんだよ」
「えっ」
「つまり、君が世界的研究者になる未来が最も実現しやすいように、装置が“調整”を始める。
そのためには、装置の危険性が世に知られねばならん。
君が研究者としてそれを暴くのが、一番自然だろう?」
佐伯は青ざめた。
「ま、試作機だからね。どこまで実行力があるかは分からんが……」
教授は軽く笑った。
そのとき、装置の画面がひとりでに点滅した。
〈調整開始〉
「教授、これ……止められないんですか」
「止められたら未来予測装置とは言えんだろう」
教授は肩をすくめた。
佐伯は、未来の自分が世界的研究者になることを、もう少し喜んでおくべきだったのかもしれない。
ただし、その未来が“装置の暴走を暴いた英雄”としてなのか、“暴走の原因となった人物”としてなのかは、まだ誰にも分からない。

