医学生物学系のPh.D.研究者として企業で生き抜く方法



第12回(更新日:2012年11月24日)

自分を理解するために履歴書を作成する 2ページ目/全2ページ

一般に、研究者の業績として主張できるのは、(1)どういった研究費を獲得したか、(2)どういった論文を発表したか、(3)どういった発表(学会でのシンポジウム、学会での口頭発表、その他講演など)をしたか、の3つです。これらは研究者の業績を“客観的”に示してくれるものです。そのため、まずはこれらに分類される情報を全て集めましょう。

しかし残念ながら、会社にいると上記3点に記載できるような情報はほとんど増えていきません。なぜならば、会社は社内での研究内容を出来る限り外に出したくないからです。

 では、そういった状況下でいかにして履歴書を作成すればいいのでしょうか?客観的な内容を持って自分の業績を売り込めないのであれば、「主観的な内容」で自分の業績を売り込むしかありません。しかし、もちろん嘘をついてはいけません。主観的な内容に嘘が入ると、先日いきなり有名人になってしまった某iPS研究者のようになってしまいます。

 そのため、主観的ではありますが、最低限自分の中では客観的に自分の業績を判断するように気をつけましょう。別の表現を使えば、自分の中に第三者的な人格を用意してその人に評価してもらう、といった感じでしょうか。

それでは、まずは(1)自分がやったことのある実験操作、(2)自分が担当したプロジェクトおよびそのプロジェクトでの役割、そして(3)社内で作成した書類および発表した内容、を全て集めましょう。次回は、そのようにして集めた情報を「外に売り込む(=履歴書に落とし込む)」にはどうすれば良いか考えていこうと思います。

前のページへ

執筆者:川口隆史

ページトップへ戻る

Copyright(C) BioMedサーカス.com, All Rights Reserved.