■医学生物学系のPh.D.研究者として企業で生き抜く方法
第15回:異性との関わり方 1/2ページ(更新日:2013年11月12日)
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またしても連載の間隔が開いてしまって申し訳ございません。本業との兼ね合いでなかなか連載記事を書く時間が確保できない状態が続いております。今後もしばらくは更新間隔が不定期となりそうですが、更新できるときには、少しでも読者の皆様にとって有用となりそうな内容を書いていこうと思います。
連載が不定期となり、この連載の主目的がぼやけてしまいがちですが、私の文章の目的は、博士号取得者(主にライフサイエンス系)が日本的な企業で上手く(平穏に)生き抜く方法を探ることにあります。
この点において、色々な考え方があるのは重々承知しているつもりですが、私の主張は凝集すれば『いかに目立たず(=社内で敵を作らず)定年まで安定した身分を確保するか』と表すことが出来ます。この主張に基づき、これまでの記事を書いてきましたので、もしお時間がありましたら、再度読み直していただければと思います。
さて、今回は異性との関わり方について考えていきます。
学校であれば、男子校や女子校など、所属組織に異性がほとんどいないということもあります。しかし、企業では(少なくとも博士号取得者を雇う余裕のある会社では)異性が近くにいないということはほとんどないと思います。
多くの人(私もですが)は異性にもてたいと思うのではないでしょうか。この点は、ある意味で本能的なものなので、この質問に自信を持ってNoと言える人は少ないと思います。しかしながら、『異性にもてる』というのは、企業で平穏に生きていくためには、あまり好ましくないのです。
少し具体的に見ていきましょう。異性にもてたいと思うのは、男女問わず(さらには世代を問わず)ある意味で共通の願望です。異性にもてているということが願望であるのなら、それを持っていない人(異性にもてない人)はそれを持っている人(異性に持てる人)に対して羨望の気持ちを抱くことになります。
羨望ということで留まれば問題ないのですが、それが妬み/嫉妬へと変わると話はややこしくなります。しかし、その変換(羨望→嫉妬)は容易に起こります。
以前に、博士号取得者は博士号を持っているがために、博士号を持っていない人(修士課程を終えて就職した人)から妬まれ、評価が厳しくなりやすいという話をしました。(第2回参照)
それと同じようなことが、この異性関係にも起きる可能性があります。
もちろん、同世代間では、もてない人がもてる人を妬んで攻撃したとしても、通常はもてない人の僻みということで片付けられることが多いです。しかも、一般的に、異性にもてる人(特に男性の場合)は人当たりが良いことが多いので、社内に味方も多く、女性に持てない男性社員から攻撃されても、周りの女性社員が庇ってくれます。
しかし、男女間の関係は恒常的なものではありません。男女の交際は常に終局を迎える可能性をはらんでいます。そのため、社内恋愛などをしている場合、不幸にも破局を迎えてしまうと、それを機に周りの異性が一斉に敵になる恐れもあります。
また、上司(もしくは上層部)がもてないことを僻むタイプであれば、異性にもてる部下に対しては厳しく当たることもあります。そんな上司はすぐに左遷などされるだろうと思う方もいるかもしれませんが、日本的な企業ではある程度偉くなった場合は、下からの評価が悪くても、なかなか更迭などはされないものなのです。