教授と僕の研究人生相談所



第14回(更新日:2014年2月10日)

オープンアクセスのジャーナルが増えると・・・ 1ページ目/全2ページ

僕「教授、STAP細胞のニュース見ました?」

教授「あれだけ騒がれれば、見る気がなくても目に入る」

僕「またまた〜素直じゃないんですから」

教授「ふん。新たな万能細胞の作成方法が見つかったことが相当嬉しいようだが、君は一体STAP細胞についてどのくらい知ってるのかね?」

僕「色々知ってますよ。まず注目すべきことは30歳の女性研究者がこの世紀の大発見をしたことですよね。一気にリケジョという言葉が一般の人にも浸透しましたからね」

教授「リケジョという言葉は元々は理化学研究所で働く女性が提唱したんだぞ。理化学研究所で働く女性の略称が発端だ。君はそういうことは知ってるのかね?」

僕「え、そうだったんですか?全然知りませんでした。でも教授、そんな情報まで仕入れてるなんてスゴいですね」

教授「君みたいなミーハーじゃないからな。ニュースとかの表面的な情報に踊らされないように、情報の裏を取る習慣は身についている。ところで、君は本当にSTAP細胞のことを理解しているのか?」

僕「そこら辺の一般人よりは理解してるつもりです!」

教授「じゃあ、Natureに出た2報はきちんと読んだんだな」

僕「えっと・・・pdfファイルはダウンロードしたので印刷して読もうかと思ってます」

教授「では小保方博士の学生時代に書いた詩は読んだかね」

僕「はい、そちらは読みました。素朴かつ知的な可愛らしい詩ですよね」

教授「STAP細胞の正式名称は?」

僕「え?えっと、stress・・・」

教授「stimulus-triggered acquisition of pluripotencyだ。小保方博士が学生時代にやっていたスポーツは?」

僕「ラクロスです。それは知ってます」

教授「お気に入りのキャラクターは?」

僕「ムーミンです」

教授「ムーミンはカバじゃないって知っていたか?」

僕「え、本当ですか?」

教授「知らなかったのか?」

僕「じゃあムーミンって何者なんですか?」

教授「妖精だ」

僕「妖精って(笑)。さすがの僕もそんな嘘には騙されませんよ。あんな妖精いませんよ」

教授「フィクションの物語の設定で俺に文句を言うな。話を戻すぞ。小保方博士の研究室の壁の色は知ってるか?」

僕「ピンクとか黄色です」

教授「実験中に白衣の代わりに着ているものは?」

僕「小保方さんのお婆さんの割烹着です」

教授「学生時代の留学先は?」

僕「ハーバード大学です!」

教授「その研究室はハーバード大学医学部の関連病院の中にあるということは知っているかね?」

僕「え、そうなんですか?」

教授「やっぱり知らなかったのか。じゃあSTAP細胞を作る条件は?」

僕「酸性の溶液に浸すんですよね」

教授「もっと詳しく」

僕「えっと・・・iPS細胞よりも簡単らしいですが、詳しい条件は・・・」

教授「君は小保方博士をアイドルか何かと勘違いしていないか?」

僕「お言葉ですが教授、多少アイドル的な扱いであっても世間の目が日本の研究能力の高さに注目をするようになるのは悪いことではないように思いますが」

教授「何でそんなに必死なんだ?まあ、確かに君の言うことも一理ある。小保方博士本人にとっては今のアイドル的扱いは不満かもしれんがな。それにしても、日本のマスコミは本当にレベルが低いな。まあテレビとかを見てる人の知的レベルに合わせて番組を作っている結果なのかもしれないがな」

僕「また世間を敵に回すような発言を。でも、最近はマスコミ批判も多く出てきていて、テレビとかの視聴率は落ちてるようですよ。なので、テレビを見ている人、というか正確にはテレビを見ていた人の知的レベルは日本のマスコミよりも高いのかもしれませんね」

教授「どうだろうな。まあ、いずれにしろSTAP細胞は素晴らしいと思う。だからこそ、その素晴らしさを研究という面において、より深く洞察した報道をしてもらいたいと俺は思うね」

僕「でも教授、あの研究って最初はNatureに投稿したときに『過去何百年の生物細胞学の歴史を愚弄している』と酷評されてリジェクトされたんですよね。そんなことってあるんですか?Natureって世界でも最も有名で権威ある雑誌ですよね?」

教授「愚弄しているというコメントは、あくまで理研側がそう言ってるだけだからな。日本語で査読コメントが返ってくることもないし、あの表現は意訳というか多少は誇張が入っているかもしれない。だがな、権威と科学的な正しさの間には相関などない。今回の『愚弄』発言は雑誌の編集者が言ったのではなく、単に査読者の一人が書いたコメントの一部なんだろ?そのくらいの“的外れな上から目線”の査読コメントは珍しくない。Natureみたいな雑誌であってもな。最近では査読コメントが科学的に正しくないのは日常茶飯事だ」

僕「教授は雑誌の編集者もしてますし、査読もすごい頻度でやってるんですよね」

教授「ああ、全くウンザリする仕事だよ。編集の仕事も査読の仕事もな。どっちも報酬はゼロなのに面倒なことが多い。科学分野の発展に貢献するのが自分の研究者としての役割の一部だから、この業界を支えている学術雑誌の雑用を無償でやってはいるが、最近は本当にくだらない雑誌や論文が増えた」

僕「お、ここで前回の続きになるんですね」

教授「続き?」

僕「・・・覚えていたわけじゃないんですね。えっと、オープンアクセスのジャーナルとかが増えて、という内容です」

教授「ああ、オープンアクセスジャーナルが一大産業になった、という話か」

僕「それです。あ、でもちょっと待ってください。そう言えばBioMedサーカス.comの編集部の方に、オープンアクセスジャーナルの話題をするのであれば、ぜひこちらの記事を教授に読んでもらってコメントくださいってお願いされたんです。これが印刷したものです」

教授「ふむ、非常に良い記事だな。簡潔にオープンアクセスジャーナルの問題点が説明されている。じゃあ、俺が追加することはないな。ということで今日は終わり」

僕「え、ちょっと待ってください。もっと色々聞きたいことがあるんです」

教授「この連載は君の質問に答えるものじゃないだろう。読者からの相談は今回はないのか?」

僕「えっと、いくつか来ているんですが、今回は僕の質問にぜひ答えてください」

教授「断る。ということで今日は終わりだ。続きはまた今度にしよう」

僕「ダメですよ。前回も何だか中途半端に終わってしまったので、今回はきちんと最後まで話を終わらせたいんです。オープンアクセスジャーナルの問題点とかだけでも教えてください」

教授「ふん、仕方ない。でも面倒だから、要点だけ簡潔に説明するぞ」

僕「はい、お願いします」

教授「オープンアクセスジャーナルも既存のジャーナルも金儲けの団体だ」

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