教授と僕の研究人生相談所



第16回(更新日:2014年3月10日)

研究室内での派閥選び 1ページ目/全2ページ

僕「あの・・・」

教授「今日は読者からもらった相談に答えることに専念しよう」

僕「・・・はい」

教授「今回はこれにしよう」

僕「この4月から大学で本格的に研究室に配属になるバイオ系の学生さんからの相談ですね」

教授「ああ、配属先の研究室での研究テーマ選びについてのようだな」

僕「はい。では読者の方に簡単に相談内容をご紹介します。相談してくださった方の研究室には3つの研究グループがあるらしく、それぞれが微妙に対立していて、しかも、それぞれのグループの指導教官は皆クセのある人物のようです。メールを読む限りでは、教授は直接は学生を見ないようです。それで、仮にそれらの3つのグループをA、B、Cと名付けると、Aのグループの指導教官は教授との付き合いが一番長くて、その研究室のいわゆるNo.2のようですが、研究者としてはクエスチョンマークがつくようです。ただ、No.2だけあって教授との関係は良好で、そのグループにいると色々と良いことがあるようです。Bの指導教官は比較的孤立しているようです。教授が引っ張ってきたようなのですが、いわゆる『外様』のような感じで損することが多いようです。ただ、研究上は非常に面白いことをやってるみたいです。で、最後のCの指導教官ですが、この人は若いようで、最近そこの研究室で学位を取ったみたいです。若いので学生との距離が近くて学生からの評判は良いらしいです。と、こんな感じが相談内容の要約となります」

教授「良くある話だな」

僕「え、そうなんですか?」

教授「ああ、非常によくある。人間なんて閉鎖された狭い環境で長い間一緒にいれば同じような問題が出てくるんだ。で、相談者はどこのグループに行けばいいかを聞いてるんだな」

僕「基本的にはそうです。ゴールデンウィーク明けまでに各学生の希望を聞いて、それを基に教授と各指導教官が話し合って、どこのグループに誰が行くかを決めるようです。で、相談者としては、各グループのメリット・デメリットを教授に教えてもらいたいようなんです」

教授「第一に考えなければいけないのは、相談者と各指導教官との相性だ。どんなに周りから変だとかダメだとか言われている上司でも、不思議と相性の合う部下というのはいたりするからな」

僕「でも、相談者とかそれぞれの指導教官の性格とか相性なんて僕らからはわからないですが」

教授「その通りだ。だから、俺が言えるのはあくまで一般論だ」

僕「はい」

教授「一般論で言えば、Cのグループは止めた方が良い」

僕「年が近い分、学生からは人気がある人ですね。でも、何故ですか?」

教授「Cという人間そのものがどうかはわからないが、一般的に言って、その研究室で学位を取って、そのままスタッフになる人間は、考え方が幼い奴が多い。下に学生がいても、自分も学生気分が抜けていないことが多いから、全てがなぁなぁになる。まあ、だからこそ学生との心理的な距離が近くなるんだがな。それに、そういう場合は指導教官と学生の関係というよりか、先輩と後輩の間柄になることが多い。どちらの間柄が良いかは一概には言えないが、学生の研究プロジェクトを指導教官として見るべきときに、学生気分の人間が後輩の研究プロジェクトを指導するような感じでは問題が多かろう。しかも、Cという人間のバックグラウンドを見る限り、研究の経験が圧倒的に足りないように見える」

僕「研究の経験とは?」

教授「同じ研究室に居続けていると、研究に対する考え方が狭まるんだ。しかも、学位を取ってすぐに研究室のスタッフとなったのであれば、下手をすれば英語論文を一人で書くだけの能力もまだないかもしれない。しかも状況的には、他の指導教官、AとかBだな、の下で博士課程の研究をしていた可能性がある。そうならば、Cのグループの立場はAやBのグループの下だ。表面上はA/B/Cのグループの関係は対等だとなっていても、実際は色々と問題がありそうだ」

僕「なるほど。だからこそ、各指導教官の仲が良くないのかもしれませんね」

教授「どうだろうな。だが、A/B/Cの仲が良くないのであれば、なおのこと立場上それほど高くないであろうCの下に行くのはよした方がいいな」

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