教授と僕の研究人生相談所



第20回(更新日:2014年5月5日)

自死という選択肢は消去法で選ぶべし 1ページ目/全2ページ

僕「慶應大学の吉村教授って知ってますか?免疫学の」

教授「あぁ、知ってるよ。そこの研究室のホームページで俺らの連載が取り上げられたのも知ってる」

僕「え、知ってたんですか?」

教授「まあな。それにしても、あんな超一流の研究者にポジティブなコメントをもらえるとは。こんな下らない連載なのに不思議なもんだ」

僕「そんな自虐的なこと言わないでくださいよ。ところで教授は吉村教授のことを直接ご存知なのですか?吉村教授は教授の素性について何かアテがあるようですが」

教授「それに関しては一切ノーコメントにする。イエスともノーとも言わない。万が一にも俺の素性がバレてしまったら、この平穏な教授生活が崩れる。俺は老害教授として定年まで波風立てずに給料をもらうと心に決めたんだ。こんな下らん連載がキッカケで俺の人生設計が狂ってしまったら後悔してもしきれない」

僕「・・・そんなこと堂々と言わないでください」

教授「ふん、俺の人生は俺のものだ。誰にも文句は言われる筋合いはない。ところで、この連載の次回はいつ掲載されるんだ?世の中はもうGWに入ろうとしているぞ」

僕「これまでの連載間隔なら5月5日の月曜日です」

教授「祝日じゃないか」

僕「えぇ、そうなんですが・・・」

教授「掲載媒体はGW中もやってるのか?というか、GW中に掲載する原稿を書けと言ってきてるのか?(やや不機嫌に)」

僕「いえいえ、そんなことないです。BioMedサーカスの担当の方は、GW中なので次回はGW明けでも大丈夫です、と言ってきてくださいました。でも、もし原稿をいただければ掲載は通常どおりに行います、とも言ってました。これって、教授的に解釈すると原稿の催促なんでしょうか?」

教授「何とも言えんな。まあ、催促ではないように思う。だが、それなら何で、こんなGW前の忙しい時期に次回の記事について話してるんだ?」

僕「いえ、このような相談メールが来たので(印刷メールを渡す)、いち早く教授のアドバイスをもらった方がいいかと思いまして。この相談、教授にも転送したのですが、読まれましたか?」

教授「どうだったかな(印刷メールに目を通す)。あー、ちょっと読み始めたけど文面が長かったから途中で読むのをやめた。どうせ君が印刷してくるしな。だが、今日はこの相談にするのか?これより先に相談メールがいくつか来ていたと思ったが」

僕「はい。ですが、もし可能でしたら・・・」

教授「まあ俺はどの相談に答えるのでもいいんだがな。でも、相談メールが増えてきたから答える順番とか考えておかないと、相談をしてくれる読者が減って・・まぁ、いいか別に」

僕「・・・もしかして、相談がなくなったら連載が終わるかもって思いましたか?」

教授「君にしては珍しく鋭いな。まあ良い、GW前に終わらせないといけない仕事が山積みだから今日は手短にいくぞ」

僕「はい。でも、この相談はかなり深刻です。相談文も長いですし、読者向けに要約するだけでも大変そうですが」

教授「この相談内容の要約なんて難しくないだろう。定職に就けない中年研究者が将来を悲観して思い詰めてるって内容だろ。自分の肥大したプライドがズタズタになっていて、嫁子どもをきちんと養えないかもという不安やら焦りで心が押しつぶされてるってことだ?長々と文章を書いてはいるが、内容はそれだけだ」

僕「いや、まあ、そうなんですけど・・・」

教授「それ以外にあるか?」

僕「いえ、それだけかと・・・。で、この相談者へのアドバイスは?」

教授「まあ不特定多数の他人に迷惑をかけるような手段はしない方がいいな。電車への飛び込みとか、人通りの多いビルの屋上から、とかな。あとは、そうだな、あんまり苦しむ方法は選ばない方がいいんじゃないか。あ、それと、嫁子どもを養えないかも、という不安があるらしいから、きちんと保険金関係は調べておいた方がいいな」

僕「・・・どうして死を選ぶ前提なんですか?」

教授「本人がそれを望んでいるからじゃないか」

僕「いや、でも、それでも死を選択するのを思いとどまらせるとか・・・」

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