教授と僕の研究人生相談所



第48回(更新日:2015年7月6日)

玉の輿は身分の壁を乗り越える手っ取り早い方法だ 1ページ目/全2ページ

僕「今回の原稿は7月6日に掲載される予定です」

教授「あ、そう。毎回ご苦労さん」

僕「その次の日は七夕なんですけど、教授は七夕の笹とか飾ります?」

教授「飾らんよ、俺はパンダじゃないからな」

僕「七夕とパンダは関係ないと思います。ちなみに、教授がもし短冊に何か願い事を書くとしたら何にしますか?」

教授「酒のある優雅な老後をおくりたい、だ」

僕「即答ですね」

教授「流れ星が見えたらいつでも3回言えるように日頃から準備してるからな。で、何でパンダが笹を食べるという話なんかしてるんだ?研究人生相談と関係ないではないか」

僕「パンダの話は教授がしてるだけなんですが、たまには季節の話題にも触れようかな、と思いまして。ですが、教授はお忙しいですよね。すみません。すぐに相談内容に移ります。今回はこちらをお願いできますか?」

教授「32歳の男性ポスドクか」

僕「はい。この相談者は日本の某国立大学で博士号を取得してアメリカに行ったはいいものの、研究者として生きていくのは難しいかもと思い始めているようです。英語も上達せず、色々と追いつめられた感があるようです。それで今回、教授に今後の生き方について何かアドバイスをもらいたいようなんです」

教授「来世に期待すればいいんじゃないか」

僕「そんな人生相談聞いたことありません。現世でのアドバイスをお願いします」

教授「じゃあ、七夕の短冊に『安定した職が欲しい』とでも書けばいいんじゃないか?パンダが食べてしまうかもしれないがね」

僕「一応ツッコミをさせていただきますが、七夕の笹はパンダの餌には使われないと思います。あと、紙を食べるのはヤギです。もうちょっと現実的なアドバイスをお願いできますか?」

教授「ふん、博士号とってすぐにアメリカのアカデミアでポスドクを始めたけど、5年たっても鳴かず飛ばずで、この世界は無理かもって思ってる奴に何てアドバイスすればいいんだ?英語も出来ないし、研究業績も大したことないような普通のどこにでもいるポスドクだろ。今の研究者余りの時代に、これと言って特徴のない30代男性ポスドクが、そんな逆境から抜け出せる方法があったら俺が知りたいくらいだよ」

僕「そういう無理難題に答えるのがこの連載の肝だと思うのですが」

教授「無理難題か、君も酷いな」

僕「あ、いえ、そういう意味では。すみません・・・」

教授「まあいい、ちょっと考えてみよう。こういう時は歴史に学ぶんだ」

僕「歴史?」

教授「そうだ。人間なんて今も昔もやることは変わらない。だから逆境から抜け出した過去の人間の方法を知れば、何らかのヒントが見つかることが多い」

僕「でもポスドクなんて職はここ数十年で出てきた職だと思うのですが」

教授「ふん、君はあいかわらず視野が狭いな」

僕「ぐ・・・」

教授「ポスドクというのは今では低所得で社会的地位も高くない」

僕「改めて言葉にすると悲惨ですね」

教授「そんな低い身分の人間が逆転を狙うとすると」

僕「革命ですか?」

教授「話が飛躍しすぎだ」

僕「すみません・・・」

教授「まあ革命をしても良いが、革命なんて一人では出来ない。そんなことが出来る奴なら、ポスドクから脱出して独立ラボを持つことなんて朝飯前だろう」

僕「確かに」

教授「古今東西、低い身分の人間が人生を逆転するのに手っ取り早いのは玉の輿だ。この相談者は男性だから逆玉になるがな」

僕「歴史に学ぶと言ったわりには結論が玉の輿というのはちょっとショボいような気もしますが」

教授「何を言ってるんだ。玉の輿は身分の壁を超える古典的かつ現在でも有効な手段だぞ」

僕「ですが教授、今回の相談者が逆玉を狙うとして、相手はどんな人になるんですか?ポスドクって最近は一般の人の間でも悲惨な職だという認識が広がってるんです。そんなポスドクが逆玉とか狙えるんでしょうか」

教授「そんなことを気にしてたら逆玉なんて狙えない。いいか、この相談者はアメリカに留学している。しかも年齢は32歳とまだ若い。ならば狙うのは留学をしている独身の年上女医だ。35歳〜37歳くらいが狙い目だ。そのくらいならば子どもも充分に産める」

僕「何と言うか、微妙に女性からの反感を買いそうな記事ですね」

教授「大丈夫だ」

次のページへ

ページトップへ戻る

Copyright(C) BioMedサーカス.com, All Rights Reserved.