教授と僕の研究人生相談所



第48回(更新日:2015年7月6日)

玉の輿は身分の壁を乗り越える手っ取り早い方法だ 2ページ目/全2ページ

僕「え、そうですか?」

教授「男性からも反感を買う。男女平等だ」

僕「意味がわかりません」

教授「まあいい。読者が何と思おうが俺は気にしない。いずれにしろ、この相談者が年上女医と結婚すれば人生は変わる。一生食うことには困らないだろう。そのくらいの年まで独身なら女性側も結婚相手に対してそれほど高い要求をしないだろう」

僕「はぁ・・・」

教授「というか、博士号持ちなら充分高学歴だ。ポスドクという点を差し引いても、32歳の博士号持ち男性研究者なら結婚市場での価値はそんなに悪くない。ポスドクの問題点は高学歴なのに稼げる見込みが低いという点だ。自分で稼げる女医は相手に稼ぎを求めなくても生きていけるから、年下ポスドクでも相手としては悪くないだろう。しかも、高学歴な年下男性が、35歳〜37歳まで独身だった女医と結婚してくれるなら、義理の両親からもきっと感謝され大事に扱われるはずだ」

僕「でも、そうなったら、きっと主夫のような感じになるんですよね」

教授「そうなる可能性もあるだろう。だが、それがどうした。研究者として生きていくだけが人生ではない。しかも相談者は研究者として生計を立てることに自信がなくなってるんだろ。研究者を辞めてもいいじゃないか」

僕「まあそうなんですけど・・・。でも現実問題として、そんなことってあるんですか?」

教授「そんなことってどういう意味だ?」

僕「えっと、上手く表現できないんですけど、留学している人同士が恋愛関係になって結婚まで行くってことあるんでしょうか」

教授「普通にある」

僕「え?」

教授「そういえば、昔のことだがな、教え子が一人アメリカに行っていた。で、そいつから送信先を間違えたメールが俺に届いた」

僕「どんなメールなんです?」

教授「詳しくは覚えてないが、『大丈夫だって(顔文字)。きっとあやちゃんの気持ちは届くよ。でも、とも君も酷いよね。あやちゃんの気持ちに気づいているのに、かおりさんと遊びに行くなんて。でも大丈夫だよ(顔文字)。応援してるから頑張って(顔文字)』みたいな感じだったな。もちろん人名は覚えてないから適当だ」

僕「何てコメントすればいいかわからない誤爆メールですね。そのメールに対して教授はどう答えたんですか?というか、その教え子さんはメールを間違って教授に送ってしまったことに気づいたんでしょうか?」

教授「その後、すぐにメールが来たよ。『すみません、間違えました。忘れてください』みたいな内容だったな」

僕「教授はどうされたんですか」

教授「何か返信したな。あんまり覚えていないが、『楽しそうなアメリカ生活でなによりです。メールの件は忘れたので安心してください。あやちゃんの恋が成就することをお祈りしています』みたいに書いたかな」

僕「教え子さんの立場としては辛い返信内容ですね・・・。で、あやさんの恋は成就したんでしょうか?」

教授「知らん。表向きは忘れたことになってるからな。帰国して挨拶に来たときもそのことは聞いてないよ。というか、今の今までそのメールのことはすっかり忘れていた。今度メールでもして聞いてみるか」

僕「やめてあげてください」

教授「ふむ、確かにそうだな。やめておくか。じゃあ今日はこれまで」

僕「いえいえ、今は脱線中です。話を元に戻してもいいですか」

教授「そうか、脱線中だったか。じゃあ話を戻そう。パンダは七夕の短冊に書かれた夢を食べるという話をしてたんだったよな」

僕「話が戻りすぎです。というか、そんな話はしてません。あえてツッコミますが、夢を食べるのは獏(ばく)です。しかも、獏が食べる夢は将来の希望や願いごとの夢ではなく、寝てるときに見る夢です。それに、七夕とパンダは全く関係ありません。今回の相談者に逆玉をお勧めしてた話に戻ってください」

教授「ふん、君は冗談がわからない奴だな。ま、32歳の男性が35〜37歳くらいの女性と結婚するとなったら、周りからからかわれることもあるだろう。しかも、それが女医となったら金に目がくらんだ、とか、逆玉狙いか、とか心ないことを言ってくる奴もいる。だが、それは事実だからほっとけばいい。自分の人生なんだから、周りがとやかく言っても気にしてはいけない。だが、自分の親や親族なんかには、きちんと説明できるようにしないといけない。仮に逆玉が唯一の理由で結婚するとしても、そこは良い大人なんだから、表向きの理由もきちんと用意すべきだ」

僕「身も蓋もないアドバイスですね」

教授「ふん。とは言え、博士号を取ったくらいの高学歴なら女医くらいの学歴を持ってた方が話が合うかもしれんぞ。それに、逆玉狙いは、決して適当な気持ちで言ってるんじゃない。この相談者には良いかもしれんと本気で思っている。ま、俺の話を聞くか聞かないかは相談者次第だ」

僕「はぁ・・・。他のアドバイスはありますか?」

教授「女医でなくても、会社社長もしくは重役の娘、もちろん年上の女性が狙い目だ、との結婚でもいいだろう。その会社に良いポジションで就職できるかもしれんぞ」

僕「・・・逆玉以外のアドバイスはありますか?」

教授「ないんじゃないか」

僕「そんな・・・」

教授「ま、必死になって恥も外聞も捨てて、ありとあらゆる知り合いに声をかけて何とか日本の会社に就職して、就職してからは自分より年下の人間にも頭を下げて、周りからこれだから博士は使えんとか嫌味を言われながらも黙々と頑張り続ければ、10年くらい経ったころには何か新しい活路が見いだせるかもしれんな。そういう地道な努力がいやなら逆玉を狙うしかない。もしくは・・・」

僕「他にも方法があるんですか?」

教授「来世に期待だ」

僕「・・・」

執筆者:「尊敬すべき教授」と「その愛すべき学生」

*このコーナーでは「教授」への質問を大募集しています。質問内容はinfo@biomedcircus.comまでお願いいたします(役職・学年、研究分野、性別等、差し支えない程度で教えていただければ「教授」が質問に答えやすくなると思います)。

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