教授と僕の研究人生相談所



第78回(更新日:2018年2月11日)

教授はバイオ業界を清浄化しようと努力している人の味方です 2ページ目/全2ページ

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教授「これも一種の時代の流れだよ。今までのバイオ業界がどうかしてた。あんなユルユルな性善説に基づいたシステムでは、ズルいことをして甘い汁を吸いたい奴の流入および暗躍を防げるわけがない。そして、そんなズルい奴が跋扈している業界で『正直に』研究をしていても人並みな生活をおくれるとも思えない。ま、これから苦労するのは若い奴らだ。俺は老害教授として悠々自適な老後を過ごす」

僕「・・・。ちなみに、教授が知っている他の捏造情報ってどんなのがあるんです」

教授「君に教えて俺に何のメリットがあるんだ?」

僕「・・・何もありません」

教授「自分の立場をよくわかってるじゃないか。ご褒美に、君の質問に一個だけイエス・ノーで答えてあげよう」

僕「質問?」

教授「どこで捏造が行われているかに関する質問だ。制限時間は5秒。5・4・・・」

僕「え、え、え・・・えっと・・・ハーバード大学でも捏造が行われているという情報は教授のところに入っていますか?」

教授「イエス」

僕「え!?それって、どこの研究室ですか?日本人ですか?」

教授「答える質問は一個だけだ」

僕「ぐ・・・」

教授「そろそろ読者からの相談に適当に答えるか」

僕「『適当』は余計です」

教授「そうか。じゃあ、『適当に』というところは記事からは消しておいてくれ」

僕「はい。では、読者からの相談ですが、今回はこちらの相談をお願いできますか?(相談メールを印刷したものを渡す)」

教授「長いな」

僕「相談内容を簡単にまとめると、『研究へのモチベーションがなくなってしまった』ということで、これからどうすればいいかを教授にアドバイスしてもらいたいようなんです。職位は講師(助教と准教授の間)とのことです」

教授「ふん、そんなの俺が聞きたいよ。俺だってもう研究へのモチベーションなんかないしな。それに、この相談者が書いたモチベーションがなくなった理由は全くもって全てに同意だ」

僕「今の研究業界の問題点とか、その他もろもろのことが書かれていますね。でも、本当にこんなに酷いんですか、今のバイオ業界って」

教授「ああ、酷いね。この相談者は良く見ている。だが、この相談者はまだ講師で年齢も若い。俺のように逃げ切りは無理だな。ご愁傷さま」

僕「それだとアドバイスにはなっていません」

教授「こんな相談にアドバイスなんて出来んよ。ま、この相談者はその職位と若さで、この業界の裏事情をこれだけよく把握しているんだ。その明晰な頭脳で今の自分の状況を打破する方法を見出せばいいだけだよ」

僕「そんな・・・」

教授「俺はもうこの業界になんの未練もないし、今の酷さを良くしようとは全く思っていない。まさに無責任老害教授の典型だ。だが、こんな捏造だらけの『正直者が馬鹿を見る業界』でも、真面目に研究を頑張ってる奴や種々の問題点を改善しようと努力している奴らはいる。俺が直接知っているだけでも両手では足りないくらいだ。若くて真面目な研究者は、そういう奴らの頑張りに期待したり、そういうのと一緒に業界を清浄化させる努力をしてもいいのかもしれないな」

僕「そういう人もやっぱりいるんですね。暗い話ばかりですが、明るい兆しもあるんですね」

教授「肥溜めに鶴って感じだがな」

僕「・・・。でも、教授もそういう頑張っている人の味方ですよね。教授くらいの力がある人がそういう人たちの活動なり頑張りをサポートしたら、この業界がもっと良くなるんじゃないですか?」

教授「いやだね。そんなの面倒すぎるし、そもそも俺は無能老害教授だ」

僕「そんなことないですって」

教授「ここだけの話だがな、俺も昔は業界を良くしようという活動に取り組んだことがある」

僕「え、初耳です」

教授「俺の黒歴史だからな」

僕「何で黒歴史なんですか?というか、そういう活動をした結果どうなったんですか?」

教授「それを聞きたいのか?」

僕「ぜひ」

教授「その結末はハッピーエンドの楽しい話じゃないぞ」

僕「それでもいいです」

教授「暗い気持ちになってもいいんだな?」

僕「はい」

教授「本当だな?」

僕「本当ですって。もったいぶらないでくださいよ〜」

教授「そういう活動をしたら、老害教授として生きていくのが一番幸せで楽だなと実感した。そしてこの三流無能老害教授が誕生したんだ(自分を指差しながら)」

僕「・・・」

執筆者:「尊敬すべき教授」と「その愛すべき学生」

*このコーナーでは「教授」への質問を大募集しています。質問内容はinfo@biomedcircus.comまでお願いいたします(役職・学年、研究分野、性別等、差し支えない程度で教えていただければ「教授」が質問に答えやすくなると思います)。

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書籍化第二弾です。STAP捏造事件を予言したと話題になった記事も収載されています!

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