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第5回(最終回)(更新日:2013年10月1日)

論文リジェクトを避けるための適切な投稿先ジャーナルの選び方

Dr. Eddy

前回の記事では、論文リジェクトの代表的な理由と、それを防ぐコツを掲載しました。場合によって、技術的な問題がなく、良く書けている論文でもジャーナルからリジェクトされることがあります。このようなリジェクトには多くの理由があり得ますが、最も一般的な理由は、適切ではないジャーナルを選んでいることがあげられます。こうした理由でのリジェクトを防ぐため、投稿先ジャーナルを選ぶ際に考慮しなければならない最重要ポイントをあげてみたいと思います。

投稿する前に知っておきたい4つのポイント

1. これまでにそのジャーナルはあなたの専門分野の研究を掲載したことがありますか?
ウェブサイトに掲載されているジャーナルの目的の表記は、しばしばはっきりしていないときがあります。その場合、ジャーナルで出版された記事を読みましょう。ジャーナルがどんな論文がふさわしいと考えているかがよくわかります。

また、自分の研究に似た論文が出版されている頻度をチェックするのもとても重要です。例えば、今までにそのジャーナルが平均で年1回のみあなたの専門分野の論文を出版しているとすれば、その研究課題はそのジャーナルが重要視している専門分野ではありません。ですから、そのジャーナルに投稿すれば、リジェクトされる率が高いでしょう。

2. ジャーナルが対象としている読者層は誰ですか?
多くのジャーナルはウェブサイトでどのような読者が対象かをはっきりと書いています。もしジャーナルの対象とする読者が、あなたの研究を読んで欲しい読者と一致するなら、あなたの論文はこのジャーナルにふさわしいはずです。

あなたの論文の主題がジャーナルの範疇でも、読者層に合わなければリジェクトされる可能性があります。例えば、臨床医向けの臨床レポートは、保健政策に注目した医学ジャーナルには向かないでしょう。

3. そのジャーナルはどのようなタイプの論文を出版していますか?
様々なジャーナルで一般的に出版されている論文の種類は、原著論文(Original Research Articles)、短報(Short Communications)、 症例報告(Case Reports)、 総説(Review Articles)、 編集者への手紙(Letters to the Editor)などがあります。ジャーナルの目的や対象読者の変化などの様々な理由から、ジャーナルはよく出版する記事のタイプを見直します。例えば、今までにレビュー記事を発行してきたジャーナルが今もそのタイプの記事をアクセプトするとは限らないのです。ジャーナルのウェブサイトと投稿規程にくまなく目を通し、ジャーナルの新たな情報を把握しておきましょう。

4. そのジャーナルには語数制限や図表の数の制限など特別な規定がありますか?
あなたの論文が上記の全ての面でそのジャーナルに合っているなら、論文の長さや図表の数の制限などの特別な指定がないか投稿規程を確認して下さい。もし、あなたの全体的な研究に影響しない程度に、少しだけ語数を削る必要があるジャーナルに投稿するなら、投稿に進む前に適宜に論文を見直しても良いでしょう。3000語を上限とするジャーナルに10000語の論文を投稿してもすぐにリジェクトされてしまいますし、まったくそぐわないジャーナルに合わせて論文の体裁を整えるという時間の無駄になってしまいます。

これらのポイントとは別に、通常、著者が投稿先ジャーナルを選ぶ際に考慮する要素はいくつかあります。それは、ジャーナルのインパクトファクターや出版のスピードなど、著者の論文出版における目標によって変わってくると思います。まずは上記の基本的なポイントをおさえてみてください。

この記事に関する意見や、他のご質問がありましたら、英文校正エディテージ dr.eddy@editage.comまでお送り下さい。

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記事執筆:カクタス・コミュニケーションズ株式会社【英文校正エディテージ】http://www.editage.jp/

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