Nature/Scienceのニュース記事から



第75回(更新日:2014年11月24日)

PubPeerが書き込んだ人の情報に対する開示請求に対し争う姿勢

発表済みの論文について匿名で議論するPubPeerというサイトがある。このサイトでの中傷的な書き込みにより、せっかくの採用内定を取り消されたとして、ある研究者が書き込みを行った人物の情報を開示するようPubPeerに求めている。しかし、PubPeer側はこれに対して争う姿勢を見せいている。

この研究者はWayne State UniversityのFazlul Sarkarという人物で、ミシシッピ大学からの終身雇用付きポジションの内定を獲得していた。しかし、ミシシッピ大学はPubPeer上の書き込みを見て内定を取り消した。

Sarkar氏は現在もWayne State Universityに留まっており、10月9日にその書き込みを行った人物を相手取って訴訟を起こし、PubPeerに対して書き込みを行った人物のIPアドレス等の情報を開示するよう要請している。

その後、PubPeerがこの要請に対して回答するのに12月10日まで猶予が与えられることになった。PubPeerの弁護士によれば、PubPeerの管理者(匿名であるが自称若手研究者としている)は、書き込みは中傷ではないとしてSarkar氏の要請の根拠を却下する姿勢である。

このケースでpubPeerを支援しているAmerican Civil Liberties UnionのAlex Abdo氏は「PubPeerは、合法的であれば、利用者たちは匿名で書き込みをする権利があると強く信じている」と言う。

Sarkar氏の弁護士は、ミシシッピ大学にも訴訟を起こすつもりである。現在のところ、ミシシッピ大学がPubPeerの書き込みをどう扱ったのかは不明である。しかし、同大のスポークスマンはSarkar氏に、この件に関する疑義に答えるよう要請したが、返答はなかったとしている。だが、Sarkar氏の弁護士は、それに対して同意できないと表明している。

http://www.nature.com/news/peer-review-website-vows-to-fight-scientist-s-subpoena-1.16356

ページトップへ戻る

Copyright(C) BioMedサーカス.com, All Rights Reserved.