研究者の声:オピニオン



2017年1月19日更新

研究者はなぜこんなにも立場が弱いのか

BioMedサーカス.comをご覧の皆様こんにちは。ちょっと聞き捨てならない情報を小耳に挟んだので、ここBioMedサーカス.comにてその情報を流してもらおうかと思って、ミニ・オピニオン記事を書いてみました。

この情報は伝聞です。又聞きです。裏も取れてません。なので真偽のほどは定かではありません。

そんな情報をなぜネットに流すのか?それもBioMedサーカス.comみたいな、それなりのバックボーンを持った媒体で。真偽が定かでないなら、個人のブログなりTwitterなりFacebookなりで適当に愚痴っておけばいいじゃないかとお思いの方もいらっしゃるかと思います。でも、少しでも多くの人に私が聞いた内容を知ってもらいたいのです。そして、少しでも多くの人にこの問題を考えてもらいたいんです。

その内容とは、学術雑誌のシステムに関してです。

皆様もご存知のように、学術雑誌は出版社が営利目的のために発行している雑誌です。すなわち雑誌は出版社の商品であり、そこに収載される我々の論文もまた商品なのです。ですが、我々研究者は出版社の商品である論文を学術雑誌に載せてもらうのに、お金をもらうことはおろか、逆にほとんどの場合はお金を払っています。これは、ちょっと考えればおかしな話で、この矛盾に関しては今や少なくない研究者が疑問を持っています。

ですが、研究者にとって論文は将来の飯の種です。このシステムがおかしいとは思いながらも、少なくない額を出版社に支払いながら、せっせと論文を発表しています。

と、ここまでが前提です。私が聞いたのは、上記のような点についての「出版社側」の意見です。いわく「自分たちは研究者がその成果を多くの人に知ってもらう手助けをしている。ならば、その対価として報酬をもらうのは当然だ。それがいやなら、自分のWebサイトなり自費出版なりで自らの研究成果を発表すればいいだけだ。」です。

この発言が事実か否かは私は判断できません。というのも、その情報ルートは、「発言者(出版社のお偉いさん?)」→「どこぞの大御所」→「先輩が留学している研究室のボス」→「先輩」→「私」というもので、途中でその発言が捻じ曲げられたりしている可能性があるからです。

そうであるとは言え、この発言内容には私はとても驚かされました。その内容を聞いたときは、「まさか、そんな考え方があるなんて・・・」と絶句しました。ただ、少し冷静になって考えてみると、その考え方にも一理あるかな(倫理的に正しいかどうかは別として)と思うようになりました。

いわゆる「商売」なんてものは、多かれ少なかれ相手を騙したり相手の足元を見たりする側面があったりします(全ての商売がそうだとは言いませんが)。となると、昨今の研究者を取り巻く状況を鑑みれば、出版社側が上で紹介した発言のように考えて、立場の弱い研究者から搾取しようとするのも無理からぬ話だと思います。余談ですが、出版社が、自分のところの商品になる論文の品質管理(=査読)を無料で研究者にやらせているのも同じ論理に基づいているのかもしれません。
 (参考:学術論文の査読システムが崩壊の危機に瀕している

このような研究者を見下した発言が本当にあったかどうかは置いておくとしても、出版社が研究者からお金をとって論文を学術雑誌に掲載しているということは事実です。そして、その事実は、研究者側にとっては明らかに矛盾したシステムなのです。そのため、問題提起という目的で、この内容をここBioMedサーカス.comで発表しようと思いました。

ただ、決して学術雑誌を出している出版社全てを貶めるつもりは全くなく、私の聞いた発言が全くの偽りである可能性もゼロではないということは伝えておきたいと思います。

最後になりましたが、こんな文章を掲載することを許可してくださったBioMedサーカス.comの編集部に感謝いたします。


執筆者:某国立大のD1


研究生活に悩んでいる方におすすめの書籍です

ページトップへ戻る

Copyright(C) BioMedサーカス.com, All Rights Reserved.