海外ラボリポート



剣持信子 博士 〜米国カリフォルニア大学から(2011年06月10日更新)

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私は、大学院から米国に留学し、修士、博士課程を終え、現在、米国のカリフォルニア大学でポスドク研究員として、fMRIと臨床神経心理検査を中心に仕事をしています。当面の目標は、研究業績をあげ次のポジションにつなげること、臨床の方では、カリフォルニア州の、クリニカルサイコロジストとしての認定を受けるための試験の準備をすることです。大学院時代から、延べ三つのラボに所属してきました。そこで、まず、現在に到達するまでの過程と大学院時代のラボの様子、そして、次に現在のラボの様子について記したいと思います。

1. 大学時代

大学時代は、漠然と、心理臨床家になりたいと考えて、日本で心理学を専攻していました。大学三年時に交換留学制度を利用して、米国で一年勉強した折りに、心理学の「研究」の側面にも興味を持つようになりました。そして、心理学が一番発達している米国に大学院生として戻って、臨床心理学を米国で学べたら、と考えるようになりました。

 交換留学から帰国し、日本で学部を卒業、米国の臨床心理学の博士課程を数プログラム受験しましたが、一校も合格しませんでした。翌年もまた受験しましたが、博士課程には受からず、修士課程一校からオファーをもらいました。第一志望のプログラムではなかったので迷いましたが、このまま何もしないよりは修士課程でも行けば先につながるのではないかと考え、思い切って米国、カリフォルニアに留学しました。

2. 修士課程

修士課程に在籍中の二年半の間、合計二つのラボに所属しました。一つ目のラボでは、味覚嗅覚のERP、fMRI、psychophysicsの手法を、もう一つのラボでは、fMRIのデータ解析を中心に学びました。当時、fMRIは、ブロックデザインだけではなく、event-relatedデザインや、functional connectivityが流行し始めた時であり、最先端のものに触れているワクワク感がありました。修士論文や投稿論文の執筆に際しては、私が出した最終ドラフトのスタイルを尊重しつつアドバイザーが英語を直すというプロセスで完成させました。

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