海外ラボリポート



剣持信子 博士 〜米国カリフォルニア大学から(2011年06月10日更新)

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3.博士課程

米国の臨床心理学の大学院は大別して二種類(Psy.D.を授与するところとPh.D.を授与するところ)あり、私が選んだ所は、臨床プログラムでありながらリサーチも重視されるPh.D.プログラムでした。修士時代と同じラボの所属でしたので、引き続き、味覚/嗅覚のfMRIに携わっていました。二年時に論文をひとつ、卒業時に博士論文をひとつ完成させることが必須でしたので、二年目のプロジェクトにはfMRIを、博士論文は神経心理パフォーマンスの民族差に関するデータをとりました。最終年は、臨床心理の博士課程で必須とされるインターンシップのため、一年間フロリダに住みました。インターン中、職務は完全に臨床(心理療法および心理/認知検査)だったのですが、機会を自分から求め、臨床症例報告を一報執筆し、少しでも業績を向上させる努力をしました。

4.現在

ポスドクのポジションを探すにあたり重視したことは、今までの経験を生かせて、かつ、研究と臨床の両方ができるところ、ということでした。求職中はフロリダでインターンをしていたのですが、運良く、出身の大学院でてんかんの研究をしているある若手の教授が研究費を獲得し、fMRIと神経心理学のできるポスドクを探しているという話を聞き、ポジションを得ました。

所属しているラボは、精神科、神経科学、放射線科、認知科学等複数の学部から、複数のPIのチームが寄り集まってできている大所帯です。普段は各PIのチームごとで活動をしていますが、より大きな単位でミーティングがあったり、レクチャーがあったり、学部を越えた交流やコラボレーションがあります。すぐ近くに飲食店もたくさんあるため、仕事の合間や後に皆でハッピーアワーにでかけたりするような、和気あいあいとした職場環境です。

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