海外ラボリポート



町山和代 博士 〜英国ロンドン大学から(2012年01月20日更新) 4ページ目/全4ページ

英国の博士課程に在籍して(4ページ目/全4ページ)

3.ロンドンでの生活

ロンドンはご存知のとおり、美術館、演劇、音楽のコンサートなど文化の娯楽が充実しており、多くの施設で学生割引もあることから(ユニクロも!)、研究から離れて息抜きをする場所には事欠きません(逆に言うと誘惑が多いということですが。。。)。公共交通機関が発達しているので、地下鉄・バスでどこでも行けます。また、自転車が最近非常に流行っており、自転車で通学する学生・教授も多いです。また、ヨーロッパ大陸への格安チケットも多いことから、気軽にヨーロッパ旅行もできます。

研究生活で何気に重要な冬の気候ですが、最低気温はマイナス5度程度とボストンに比べるとだいぶ暖かく雪もほとんど降りませんが、雨がよく降るので空はグレーです。ボストンより北にあるので日が3時半に落ちる12月は辛いです。一方、夏になるときれいです。しかし冷房がないあるいは弱い施設が多いので、気温が25度以上になると屋内の不快指数が一気に上がります。

日本食・日本文化は大ブームで、ロンドン中心街では、2ブロックに1件くらいの割合で日本食らしきものを売るお店があるくらい街に溢れています。ロンドンの在留邦人数は2.4万人と多いため、大きな日本食材屋が2件以上あり便利です。英国料理は美味とはとてもいえませんが、ロンドン市内はニューヨークと同様、文字通り世界中の料理が食べられるので、言われるほど食事情は悪くありません。

家ですが、ボストンも米国内で家賃が高い方ですが、ロンドンはそれ以上!ニューヨーク並みでしょうか。これはどうにもこうにも個人で対処ができません。ボストンと同様、多くの学生・プロフェッショナルが、フラットをシェアしています。

医療は、フルタイムの学生は基本的に無料でNational Health Serviceを受療できます。その分、働き始めると税金等は高いです。

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最後に、ボストンに比べると日本人の研究者の絶対数が少なく、また英国の修士学生は1年間で終わり博士課程の学生が多くフィールドワークに行く学生が多く出入りが激しいので、ネットワークは作りにくいです。ですからJaRANのホームページやメーリングリストを通して、大西洋の反対側のボストンで活躍されている研究者の方々の様子を拝読するのは、とても励みになっています。

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著者紹介:町山和代。専門分野は人口学。開発途上国70カ国以上で行われている人口保健調査(Demographic and Health Surveys)で集められたデータを使って、サブサハラアフリカ地域内の出生力減少(出生力転換)のペースの違いについて、公衆衛生学、社会学の視点から研究中。

*本記事は、JaRANの「研究者コラムのコーナー(2009年10月公開)」を転載したものです。

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