海外ラボリポート
Tweet町山和代 博士 〜英国ロンドン大学から(2012年01月20日更新)
英国の博士課程に在籍して(3ページ目/全4ページ)
2.学内の雰囲気
ここは英国のシステムというよりは、私の大学の個人的な印象になります。
LSHTMは非常に国際的でスタッフ・学生は120カ国以上からきており、リベラルな雰囲気があります。学生は主に英国、ヨーロッパ、米国、アフリカから来ており、多くの学生が出身国以外でも働いた経験があり、大学全体で多様なバックグランドの人を受け入れる雰囲気があり、非常に居心地がよいです。日本人の学生は、修士が毎年10人前後、博士課程在籍者は現在6名程度いますが、現在ロンドンにいるのは3名です。東アジア人はボストンに比べると少ないです。おそらく、英国文化の影響と、コースワークがなく学生はそれぞれの研究をそれぞれのペースで進めていることから、競争意識がアメリカに比べて低い印象があります。私のように、自分のペースで自分の興味のある分野を深く掘り下げていきたい人には、合っているのではないかと思います。
ロンドン内の大学、特にUniversity College of London(UCL)、Imperial Collegeとの連携したプロジェクトは多いようです。他は、世界保健機構、そして何よりアフリカをはじめとする旧植民地の国々とのつながりは非常に強く、共同研究・人物交流が盛んです。また、The Lancetとの関わりもあり、博士課程の学生は希望するとLancetの編集会議に参加できます。
LSHTMでは学内に各人に机とデスクトップのコンピューターが与えられます。オフィスは1年目から最終学年の学生5-10人でシェアしていて、情報交換をしたり、お互いをサポートする環境が整っています。私の研究室を含むいくつかの研究室で、英国らしく「Tea」の時間が週に1度あって、博士課程の学生とスタッフがケーキを持ち合うなど和やかな雰囲気です。