海外ラボリポート



内村智也 先生 〜米国タフツ大学から(2012年01月31日更新)

アメリカでの博士課程(1ページ目/全3ページ)

現在、私はアメリカのボストンにあるタフツ大学で博士課程2年生として在籍しており、生物医学に関連した研究に携わっています。今年でかれこれ、アメリカ在住8年目となりました。日本で高校を卒業した後、アメリカの4年制大学を経て、2年程研究技師として経験をつみ今に至ります。このコラムでは、これまでの経験を綴る事により、一人でも多くの方にアメリカでの大学院生活がどの様なのかを知っていただければ幸いです。

4年生の大学を卒業した後、2年間アカデミアのラボで研究技師として研究の経験を積みました。日米の違いの1つにこの研究技師という職種があります。アメリカでは、4年生大学を卒業した学生が研究技師として仕事に就くのは良くある光景です。むしろ、大半の研究技師が、将来的に大学院やメディカルスクールに進もうとする学生です。アメリカの大学院やメディカルスクールは非常に競争率が高く、私が大学院に受かった時の倍率はおよそ20倍でした。受験者の大半が過去になんらかの研究実績を持ってる人が多く、私自身も研究技師として働く事で、研究の経験を積みました。逆に言えば、研究の経験、実績が無い人が合格する可能性は極めて低いと思います。

研究技師の仕事内容は、主にラボがちゃんと前に進む為の管理といった所です。日課として、必要な試薬等の購入、ラボ内の整理整頓といった雑用に加え、ラボのボスや他のメンバーの手足として基本的な実験をしたりします。個人のプロジェクトをもらえるかどうかは、ボス次第で奴隷の様に働かされるケースも少なくは無い様です。特に日本人は他の人より勤勉というイメージを持たれている人がアメリカには多く、悪い意味で中には、日本人を敢えて雇って安い賃金で働かせるという可能性もあるとの事です。またほとんどのケースで最低2年の契約を結ぶ場合が多いので、将来何をしたいかを良く考えて選択しなければならないと思います。

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