海外ラボリポート



内村智也 先生 〜米国タフツ大学から(2012年01月31日更新)

アメリカでの博士課程(2ページ目/全3ページ)

現在は晴れて大学院生となり、今年で2年目です。ここからは、私の所属してる、大学院を紹介したいと思います。各々のプログラムにもよるのですが、ほとんどの生物医学のプログラムの1年目は、基礎的な授業の履修、Journal Clubそして、Rotaion Labをする事になると思います。授業自体はそこまで難しいものでは無く、宿題といった物も全くありません。少なくとも私の通っている大学院では、授業より実践や応用といった所に重点を置いてる気がします。Journal Clubはいわゆる、論文批評会といった所です。毎回1人の生徒が選ばれて、課題に沿った論文を選びます。Journal Clubではその論文を説明、解析、批評をし、論文を理解する能力、論文を構成する能力、そして論文から何を読み取るかという能力を培う事を目的としています。

さて、1年目で一番大切なのは、Rotation Labです。これは、1年かけて3つから4つ自分の興味のあるラボに体験入学し、Thesis Researchをするラボを見つける為のシステムです。一つのラボに2ヶ月程在籍し、それを3回から4回行います。最終的に、自分が行きたいと思ったラボをランク付けします。ここでポイントとなるのが、人気のあるラボはどうしても生徒間でCompetitiveになる事。行きたいと思っても、そのラボのボス(又はPI)は拒否出来る権利がある事。そして、ラボ自体に生徒を受け入れる(雇う)財政力が無ければ、入れないという事です。このシステムの良い所は、実際にラボに入って働く事により、ラボの雰囲気、PIとの相性、研究内容等が自分に合っているかどうかを知ることが出来ます。それにより、実際にThesis Labとして入って、自分が想像していた事と違うな、とかPIとの相性が実は良くない、といったトラブルを避ける事が出来ます。

現在私自身も2年目ですが、2年目には大学院生活の中でも最初の試練である、Qualifying Examがやってきます。これは、進級テストであり、これをパスして初めてそのプログラムのPh.D Candidateとして認められる事になります。それぞれのプログラムによって内容は異なりますが、Predoctral様のFellowshipを書く、をイメージして頂ければと思います。まずは研究のProposal(10ページ)を仕上げ提出。その後、3人の試験官の前で口頭による試験があります。この時一番大事なのは、いかに自分のProposalが優れているかを守り抜く必要があります。普段は優しい試験官でも、この時は大抵Meanになりますので、それなりの覚悟が必要かと思われます。一番肝心なのは、この試験に落ちてしますと自動的に大学院のプログラムから、Kick out、退学処分になりますので、ご注意を。

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