海外ラボリポート



Hajime0123 博士 〜米国ミネソタ大学から(2012年03月07日更新)

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研究内容は大きく分けて抗癌剤・男性用経口避妊薬の開発に分かれます。一般的な薬は小分子と呼ばれる分子量500以下の分子から構成され、実験では望む生理活性を持った小分子の合成が中心となります。ITDDの4階・6階で合成した分子は共同研究者へ送られます(抗癌剤の場合は5階で癌に対する活性を調べます)。その後得られた活性データを元に、分子の構造を少しずつ変えていき、より活性の強い物質やよりよい薬物動態を持った小分子の合成を目指します。


実験風景
(安全基準が厳しく、実験はドラフト内で行わなければなりません。
もちろん普段ドラフトは閉じています。)

ただ、生理活性物質の合成以外にも、より基本的な反応開発自体をプロジェクトとしている学生も数人います。特に自分を含めた化学科からの学生(研究室には薬学部からの学生の方が多くいます)はそうした基礎化学に従事することが多いです。

自分は在学中に反応開発を二つ、生理活性物質の合成を一つ、そして抗癌剤ライブラリーの開発を行い、2011年12月にPh.D.ディフェンスを経て、学位授与となりました。 前述の通り非常に自主性の高い環境だったため、モチベーションを維持するのが大変だったのを覚えていますが、その分一人前の研究者に近づけたとも思います。 今後はスクリプス研究所でポスドクをする予定です。

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執筆者:Hajime0123

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