海外ラボリポート



常木雅之 博士 〜米国イェール大学から(2012年01月16日更新)

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研究留学の利点・欠点は挙げるときりがなく、人によって優先順位が異なるため、一概な議論は難しい。

金銭的なことだけを言えば、日本人が行く場合には、ほとんどの場合、利はない。しかし、それを補ってあまりあるくらいのメリットも存在する。その一つが、人という財産であると思う。日本では知り合うことのなかった方と仲間になり、クールな研究に発展する。さらには、日本では知り合わなかった日本人研究者と知り合うことができ、共同研究に発展したり、面白い話ができたりする。自分の全く知らない世界を学ぶことができる。異国の地で知り合った研究者およびそのご家族には、ありがたいと感謝している。

日本は、間違いなく、世界の中でトップクラスに住みやすく、研究を推進している国であると思う。外に出る必要などなく、外に出てもデメリットしかないと考えるのも頷ける。確かに、研究留学は、無駄なことも多いし、苦行・難行の部類にしか当てはまらないことも多いが、プライスレスなものも存在する。


(写真2:イェール大学キャンパス内)

長い冬が終わると、ニューヘイブンにも春が来る。歩いて少しのところに、桜並木の公園があり、今年も春が来たら行ってみようと思う。イェール大学で研究をできる機会に恵まれたことは幸せなことであるし、ご支援いただいた日本の恩師や友人、そして日本学術振興会および上原記念生命科学財団には心から感謝している。いつの日か、少しでも恩返しができるように、努力していきたい。

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執筆者:常木雅之(masayuki.tsuneki@yale.edu)
所属:Yale University School of Medicine, Department of Pathology

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