ポスドク座談会



前編 1ページ目/全5ページ(更新日:2011年6月15日)

BioMedサーカス.com編集部(以下、編集部):本日はお忙しい中お集りいただきありがとうございます。事前にお伝えしましたように、皆さんの所属や氏名などは記事にする際に全て伏せさせていただきます。アメリカでポスドクとしてご活躍されている皆様の生の声を頂ければと思います。どうぞ宜しくお願いいたします。

Aさん(男性・在米6年・Ph.D.):Aです。僭越ですが、本日の座談会の司会をさせていただきます。私は、日本での博士課程の修了と同時にアメリカに来ました。既に丸6年が経過してしまい、少し将来に不安を感じているところです。記事では私たちの素性は伏せてくださるということなので、今日は日頃の思いの丈を吐き出してしまいましょう!ではまず、簡単に各自の自己紹介でもしましょうか。

Bさん(女性・在米2年・Ph.D.):Bです。私も日本で博士号を取ってすぐに米国に来ました。2年前のことです。日本に帰るかどうかで悩んでいます。私はポスドクですが、Aさんはポスドクではないですよね・・・?

Aさん:そうですね。正式な職位はインストラクターです。一応、職場ではスタッフ扱いとなっています。でも、実態はポスドクと同じです。

Bさん:でも、グラントも取ってるし、このまま独立ですか?

Aさん:グラントというよりはフェローシップかな。まぁ、このことは後ほど話すとして、まずは皆さんの自己紹介に戻りましょう。

Cさん(男性・在米1年半・M.D., Ph.D.):Cです。僕は日本では医師をしていました。研修医をした後、大学院に戻りPh.D.を取って、医局の許可が出たので留学してきました。留学期間は2年間と決まっているので、あと半年で日本に帰らないといけません。アメリカの生活は楽しいので本当は帰りたくないのですが・・・。

Dさん(女性・在米4年・Ph.D.):私は、こちらに残ろうと思っています。結婚して子どもも欲しいけど、そうしたら日本では研究なんて続けられなさそうだし・・・って、こういう問題発言も大丈夫なんでしょうか?

編集部:もちろん大丈夫です。今回の座談会は、基本的には全てそのまま記事にさせていただきます。ただ、倫理的に問題のある発言は編集で削除させていただくかもしれません。ですが、この場では構えずにオープンな感じで発言していただければと思います。また、記事を公開する前には皆さんに内容を確認していただくことになっておりますので、ご安心ください。

Eさん(男性・在米8年・Ph.D.):Eです。多分、僕が一番アメリカにいる時間が長いと思います。今は9年目です。その前は日本で助手、今は助教ですか、をしていたので、年齢もそれなりです。ずっとポスドクです。ラボは3つ目ですが。 8年もアメリカにいたので、ポスドクという職の悪い面をこれでもかというくらい見させられた気がしますね。正直なところ研究はもういいかなとも思ってます。すみません、ネガティブな発言で。

Aさん:いえいえ、そんなことはないですよ。私はぜひEさんのお話を伺いたいです。私はアメリカでラボを持ちたいなと思っているのですが、なかなか大変で心が折れそうなことが良くありますし。

Dさん:私もポスドクの負の面を聞きたいです。アメリカでやっていくためには悪い情報も知っておかないと大変なことになってしまいそうです。

Aさん:そうですよね。上手く行った話や成功した話よりも、失敗したことや大変だったことを聞いた方が勉強になることが多いですよね。それでは、まずはアメリカでポスドクをしていて大変だったことや、辛かったことをテーマにしましょうか。Bさんからお願いできますか?

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