医学生物学系のPh.D.研究者として企業で生き抜く方法



第9回(更新日:2012年9月21日)

研究能力の低下をいかに防ぐか 2ページ目/全2ページ

「目立たない社員」は単に会社内で目立たないだけで、博士としての資質まで失ってしまう必要はありません。いえ、むしろ博士としての能力は積極的に保っておくべきなのです。

 博士号社員を雇える日本企業は、未だに終身雇用制が守られています。おそらく数十年はこの状態が続く公算が高いです。

 しかしながら、人生に絶対はありません。いつか社外に出ないといけなくなることもあります。そのようなとき、大きな目でみて、研究者としても「目立たない」状態になってしまっているといけません。そのためには、常に研究業界の動向に注目しておくべきです。そして、その進歩についていけるように日々努力する必要があります。

実は、この「研究の進歩についていく」ということは修士卒の研究者には大変に困難なことなのです。しかし、博士卒の方ならば努力さえ怠らなければ充分に可能なのです。それだけの基礎的な力は博士課程の3年間に身に付いています。

さて、では万が一に備えて社外でも生きていけるようにするためにはどうすれば良いのでしょうか。それは、「目立たない社員」を目指すということに潜む二つ目のリスクである「人脈の根絶」と深い関わりがあります。それにはついては次回に詳しく見ていこうと思います。

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執筆者:川口隆史

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