ポスドク座談会



中編 3ページ目/全5ページ(更新日:2012年1月23日)

ラボのボスはポスドクのことを考えているか

編集部:Eさんがポスドクが奴隷という傾向が強まってきたと仰った(前編を参照)のは、推薦状のことが大きな理由なのですか?

Eさん:それだけではないですね。最近はグラントを取るのが難しくなってきたので、ボスは以前よりも大きな論文を出すことに執着しています。それと、R01とかの大型グラントはプレリミナリー・データ(予備的な結果)が大量に必要になってくるので、ポスドク達はすぐには論文にならないような実験とかさせられるようになってきています。

Aさん:それは、結果として論文が出ないポスドクが大量に出てきて、転職しようにも業績がないからスタックするということですか?

Eさん:まさにそれですね。ボスにとっては、誰が1st authorでも構わないから自分がlast authorの大きい論文が必要で、グラントさえ取れれば生きていけます。極端な例えかもしれませんが、ポスドクが4人いた場合、2人のポスドクがでかい論文を出せば、まあ問題はないわけです。

Bさん:それは、4人のポスドクがいて4つのプロジェクトがあっても、それらのデータを組み合わせて2つの大きなプロジェクトとしてまとめる、ということですか?

Eさん:そういうこともありますね。

Bさん:そうすると、誰が1st authorになるかで揉めるでしょうね。

Eさん:困るのはポスドクですから、ボスはあんまり困らないですよ。

Aさん:そうなんですか?誰を1st authorにするかでボスはいつも頭を悩ますって聞いたことありますけど。

前のページへ 次のページへ

ページトップへ戻る

Copyright(C) BioMedサーカス.com, All Rights Reserved.