教授と僕の研究人生相談所



第18回(更新日:2014年4月7日)

STAP騒動を『教授』が斬る! 1ページ目/全2ページ

僕「教授、これを見てください(読者からのメールを印刷したものを複数渡す)」

教授「・・・」

僕「ね、やっぱり不思議に思ってたの僕だけじゃないんですよ」

教授「いつから俺は予言者やSTAP研究の関係者になったんだ?」

僕「今年一回目の記事で紹介した捏造の手口が、まんま今回のSTAP論文の捏造手法と同じだったんですよ。それに、その回では論文捏造がニュースを騒がすって教授が言ってて、まさにその通りになりましたからね」

教授「偶然だ」

僕「えー、でも読者はそうは思ってないみたいですよ。一般人が知らない最新裏情報を教授が知っているとか、そもそも教授には何か不思議な予知能力があるんじゃないかって思われてますよ。ここ数週間はSTAP騒動が盛り上がってる関係もあるのか、そういったメールがBioMedサーカス.comにちょくちょく来るようです」

教授「全部君が書いてるんじゃないのか?」

僕「そんなことしませんよ。そんなのするくらいなら教授に直接聞きます。ということで・・・」

教授「?」

僕「今回はSTAP騒動を教授にバッサリと斬ってもらうということでどうでしょうか?」

教授「意味がわからん」

僕「理研が正式にSTAP論文に不正があったことを認めましたし、ここらで一回、教授に今回のSTAP騒動について語ってもらおうかと」

教授「この連載の主旨と違うから断る」

僕「えー、でもSTAP関連の話とか教授の予言に関してとか、こんなに沢山メールを頂いてるんですよ。きっと、これからも増えますよ。だから一度きちんとSTAP騒動に関しての教授の考えを伝えておくと良いと思います」

教授「俺はもうSTAP関連は飽きた。というか、そもそも、君とは違ってこの問題にはそんなに興味はなかった。だからSTAP騒動を斬れと言われても、俺には言うことはない」

僕「でも前々回に教授が言ったように、STAP騒動もこれで収束に向かうんじゃないんですか。だからその前にぜひSTAP騒動の総括をお願いします。それにしても、教授の予言って本当に当たりますよね。やっぱり何かあるんですか?」

教授「予言なんか一度もしていない」

僕「STAP論文の捏造手法をSTAP論文が出てくる前に詳細に説明したじゃないですか。それに捏造が新聞を賑わすとか、ネタが出尽くして騒動が終わるとか、色々予言してるじゃないですか」

教授「全部後付けだ。そういうのを専門用語でレトロフィッティングと言うんだ」

僕「れとろふぃってぃんぐ?何ですかそれ?」

教授「自称予言者が良く使う手段だ。適当にそれらしきことを言っておいて、後から何かが起きたときに、自分の言ったことと実際に起きた事象をこじつけて予言が当たったというんだ。普通は自称予言者が自らの発言と起こった出来事をこじつけるんだが、俺の場合は君や読者が勝手にこじつけてるだけだ」

僕「と言いますと?」

教授「捏造の手法なんてのは、この業界で少しでも慎重に実験データを見ていたり論文を読んでいれば誰でもわかることだ。だからこそ、STAP論文のおかしい点はすぐに見つかったんだ。あの論文での捏造手法はありきたりのものだったからね。それに、捏造論文がニュースになるなんてのは今年に限ったことじゃない。今年“も”捏造論文がニュースになるというつもりで俺は言ったんだが、君が勝手に思わせぶりな表現に変えたんだ。俺は面倒だから訂正しなかっただけだ」

僕「えー、でも『予言ですか?』って聞いたら『違う』と言ったじゃないですか。『まあ気にするな』、とも言ってたので、何か特殊な事情があるのかと思ったんです」

教授「あの発言は予言じゃない。適当にその場の思いつきで言っただけだ。単に、あの話題は面倒だったから早く話しを終わらせたかったんだよ。眠くなってきたから早く帰りたかったしな」

僕「・・・。では、STAP騒動が収束するって予言は?」

教授「STAP騒動は収束してないんじゃないのか?」

僕「えっと、芸能ニュースでは下世話な話でまだ盛り上がってますが、研究上では一段落着いたかと。理研が最終報告を出しましたし。まあ、理研の報告内容に、筆頭著者は納得していないようですが」

教授「それは収束したとは言わないんじゃないのか?」

僕「いやでも・・・」

教授「俺の発言が正しいようにこじつけようとしてるだけだな。まあ、ただ俺の中ではSTAP騒動は終わった。もう飽きたよ」

僕「では、あのとき収束するって言ったのは何か根拠とかあったんですか?」

教授「根拠なんてのはない。既にあのとき俺はSTAP騒動に飽きていた。STAP論文が捏造ってのも確定しつつあったし、理研側は適当にこの問題を終わりにすると思ってたからな」

僕「え、やっぱり教授のところには、そういう裏情報が入ってきたんですか?」

教授「何故そういう風に解釈するんだ。いいか、古今東西、それなりの規模の組織というのは、自分のところの問題が表に出た場合は出来るだけ穏便に済まそうとするんだ。今回の理研も同じだよ。不正をしたのは筆頭著者一人だけと判断したのは典型的な蜥蜴の尻尾切りだ。珍しくも何ともない。だが、それに対して筆頭著者が弁護士を立てて公式に反撃するというのは少し驚いた。まあ、STAP細胞なんてのはないことがわかったから、俺はもうこの問題に興味はない」

僕「え、STAP細胞ってないんですか?」

教授「あるのか?」

僕「いえ、えっと・・・、まあ論文に不正はあったようですが、もしかしたらSTAP細胞はあるのかも、なんて思ったりしてますが」

教授「STAP細胞はないよ」

僕「言い切っちゃっても大丈夫なんですか?」

教授「ああ、大丈夫だ。あの論文に不正があったということは、STAP現象を科学的には証明できていないということだからな。現時点でSTAP現象なりSTAP細胞は論文著者たちの仮説、もっと言えば妄想にすぎない。だから今はSTAP細胞は、神様がいるか、死後の世界はあるか、ネッシーがいるか、とかと同列だよ。STAP細胞を信じたければ信じてもいいが、そんなものは存在しない」

僕「でも、今後どこかでSTAP細胞が確認される可能性があったりしませんか?」

教授「仮に誰かが『細胞が外部刺激で多能性を持つようになる』という現象を科学的に証明したとしたら、それはSTAP細胞ではない。STAPとは別の何かだ。今回のSTAP論文の著者の業績なんかではない」

僕「え、何故ですか?」

教授「俺が神様の存在を証明したら、その功績はギリシア神話を作った人間に与えられるのか?それと一緒だよ。STAP論文に不正があったのであれば、その論文やら研究は白紙に戻る。だから現時点ではSTAP細胞は著者たちの何の根拠もない妄想だ。それなのに、将来、外部刺激によって多能性を獲得する現象を証明できた研究者がいた場合、その功績がSTAP論文の著者たちに取られるのはフェアではない」

僕「でも」

教授「ではSTAP論文の著者たちは自分たちの主張を裏付けできる何かがあるのか?論文に関しては、理研側も『論文の体を成していない』と言っているではないか。実験ノートだってほとんどないんだろう?それなのにSTAP細胞はあるんです、信じてください、と言われても俺は信じない。ま、信じたい人がいれば信じれば良いと思うよ。他人の気持ちにどうこう言うつもりは俺はないからね。それに、幸せの青い鳥を探すという人生も良いかもしれないしな」

僕「・・・」

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